不動産業界は、多くの会社が社員10名以下で構成されています。
そして、そのような規模の会社では、体形的な従業員教育などなされていないことがほとんどです。
そのため、たとえ不動産業界未経験の新入社員であったとしても、まともな教育を受けられずに放置されるということが往々にしておこります。
また、従業員教育をしっかりすると自負するような会社であっても、せいぜい先輩社員の物件確認や案内等に同行させる程度で終わっていることがほとんどです。
これらも確かに教育とはなるのでしょうが、これらは「営業活動における教育」であり、「不動産そのものについての教育」とはなりません。
ちなみに、社員10名以下の規模で運営している多くの不動産会社では、創業以来ずっと「不動産に関する教育」を行うということが無く、その会社の幹部社員でさえも「不動産に関する教育」はまともに受けたことが無いということも往々にしてあります。
そのため、会社の幹部クラスの社員でも「従業員教育=営業に関する教育」だと思い込んでいることも多いのです。
そのような状況ですので、多くの不動産会社では、従業員教育がなされないということが当たり前になっており、それが求人募集をしたとしても、応募が少なかったり、採用できたとしても、すぐに辞めてしまうという悪循環を引き起こします。
このような特徴を持った業界ですので、この特徴を逆手にとって「従業員教育をしっかりと行う会社」として打ち出せば、「未経験でも優秀な方」が、採用広告に応募してくれる可能性が高まるでしょう。
ちなみに、不動産会社の求人募集の広告を見ると、多くの不動産会社では「〇〇万円稼げる!」というような「稼げるアピール」しかしていません。
そのため、不動産業界の求人は、まともな求職者から見れば「なんとも胡散臭い」感じがして、応募をためらってしまうという方も一定数います。
そのような求人広告の中に「一生使える不動産知識を身につけられます」というような「教育をしっかりと行う」旨の求人があれば、人目を惹くことは間違いありません。
確かに、教育をしっかりと行うというだけでは、どうしても「給与面」の表示で他社の広告と戦うことはできません。
ですが「不動産の教育」という広告に反応してくれる求職者は、「お金を稼ぐ」ということのみにフォーカスしている求職者よりも、長くしっかりと仕事をしてくれる可能性が高まり、結果として、「社長の右腕」と呼べるような経営幹部にまで育ってくれる可能性が高まります。
したがって、これからの不動産会社は、求職者に対し、稼げることをアピールするよりも、「不動産を学べる」ということにフォーカスすべきでしょう。
ちなみに、求人広告で「不動産を学べる」とアピールする以上は、新入社員には、本当に不動産を学べるような体制づくりができていなければなりません。
実際に入社してもらった後に、教育の体制づくりができていなくて、従来どおりの「営業同行」のみをさせるようであれば、その従業員はさっさと退職してしまうだけでなく、会社に対して悪感情を抱いてしまうことになるでしょう。
だからこそ、しっかりと従業員教育のためのカリキュラムを組んでおく必要があるのです。
ちなみに、不動産教育のためのカリキュラムなど組めないという会社については、外部のプロに依頼するという方法もあります。
なお、この場合、一般的な従業員教育を請け負うような会社では「不動産そのものの教育を行うことは不可能」ですので、不動産の知識を教えられる業者に依頼する必要があります。
そのような業者は、あまり数は多くはないでしょうが、探せば見つけられると思います。
