一人で不動産会社を経営している社長が、最速で仕事を処理していく方法

仕事を最速で処理していくということは、どういうことでしょうか。
それは、自分の労働生産性を極限まで高めなければならないということであり、そのためには、次の点について考慮する必要があります。

①自分の専門業務を決める。
②できるだけ高スペックの機器をそろえる。
③外部の専門家を積極的に活用する。

①自分の専門業務を決めるについて
まずは、何を業務とするのかを決めます。
そして、その分野の実務能力を徹底して高める必要があります。

そのためには、できるだけ取り扱う業務を絞り込む必要があります。
業務を絞り込むことで、その業務に関する専門知識を高めやすくなります。

ただし、不動産の売買仲介の中でも「新築戸建ての仲介だけをやる」というようなものでは、仕事の難易度が低すぎますので、これを専門業務としても他社との差別化をはかることは困難でしょう。
一方で、新築の仲介について、他の誰もできないほどの集客力を身につけられるというような能力があれば、それは十分に専門能力といえます。

とにかく大事なことは「売上を作る作業のうち、自分が他者を上回ることができることに集中する」ということです。

他者を上回るためには、できるだけ取り扱い業務を絞り込んで、知識と経験を蓄えていきます。
取り扱い業務を絞り込んでは「売上を作る機会を失うのでは?」と不安になるかもしれませんが、問題はありません。

例えば、自分は「店舗賃貸専門の仲介会社(もっと絞り込めるかもしれませんが)」として不動産会社の経営していたとして、知り合いから「相続がらみで不動産を売却したいから相談に乗ってほしい」と言われたとします。

その場合、相続がらみの不動産の流通やコンサルティングでも売上を作ることができます。
ですが、その売上は諦めて、あえて「相続を専門とする不動産会社に仕事をパスすべき」です。

こうすることで、その仕事をパスした業者ともつながりができますし、今度はその業者に「店舗を探している」という相談が入ってきた場合に、自分にお客様を紹介していただけるということにもつながります。

何よりも、単に不動産会社を経営しているというだけで、自分の専門外の相談が来た場合に、何でも自分で処理しようというのでは、その仕事は業務効率が悪すぎて、かえってお客様に迷惑をかける結果になりかねません。

もし仮に新たな業務にもチャレンジしたいというのであれば、初めに取り組んだ業務で十分に売上を上げることができてから、会社を組織化し、更に業務に余裕ができた段階で、取り組み始めれば良いです。

②できるだけ高スペックの機器をそろえるについて
高スペックの機器は、使用するだけで簡単に自分の業務スピードを上げることになります。
つまり、時間をお金で買うということです。

高スペック機器の主なものはパソコンです。
お金がない人は、まずはパソコンだけでも高スペック機器のものにすれば良いでしょう。

ちなみにパソコンですが、書類作成業務が多い不動産業の場合は、デスクトップパソコンをお勧めします。
また、できるだけ大画面、かつ、デュアルモニターであれば完璧でしょう。

ノートパソコンを好んで使用している方もいると思いますが、ノートパソコンでは画面が小さくて効率が落ちます。
本格的な書類作成作業は事務所に戻って大画面で作成することとし、ノートパソコンは補助的に出先で使用するというのであれば、問題はないと思います。

そして、もう一つ簡単に業務スピードを上げられるコツとして、次のものがあります。

(1)タイピングの練習をする。
(2)ショートカットキーを覚える。
(3)繰り返し入力する文字の登録をする。

(1)タイピングの練習をするについて
タイピングのスピードは、仕事の速さに直結しますので、定期的に練習をするようにしましょう。
空き時間に少しずつ取り組んでいくだけでも、効果がありますし、やっていると結構楽しめるソフトも多いです。
このように書くと、タイピングの資格でも目指すというような、真面目な方がいますが、資格取得など時間の無駄ですのでやめましょう。

(2)ショートカットキーを覚えるについて
ショートカットキーを覚えることにより、仕事の効率をアップさせることができますので、定期的に訓練をしていきましょう。
ただし、こちらもタイピングと同じで、空き時間に少しずつ練習していく程度で十分です。
ショートカットキーに関する本が売っていますので、一冊買ってきて日々少しずつ練習をしていけば、自分にとって必要な(よく使用する)ショートカットキーが分かってきます。

(3)繰り返し入力する文字の登録をするについて
繰り返し入力する文字については、パソコンに登録してしまいましょう。
これにより、かなり楽に、早く入力ができるようになります。また、タイプミスを防ぐ効果もあります。
仕事をしていると、毎回入力するような文言に出くわしますが、どんどん登録していきましょう。
なお、登録している文字が多くなると文字登録をしていること自体を忘れたりしますので、登録している文字を定期的に確認するようにしましょう。

③外部の専門家を積極的に活用するについて
これは①で説明した「専門業務は専門家に任せた方が良い」という考え方に通じます。

そのため、できるだけ外部の専門家を活用して仕事を依頼すべきです。

例えば、税理士に記帳や納税を依頼する、行政書士に許認可を依頼する、ある程度の人数を雇用するようになった場合は社労士に労務手続を依頼するというような感じです。

これらの業務を自分でやろうとする人がいますが、効率が悪いのでお勧めしません。

自分の専門業務以外の仕事は専門家に依頼し、自分は自分の専門業務で売上を上げることに注力することが最も効率が良い働き方になります。

ちなみに、税理士に仕事を依頼するために、仮に年間50万円支払う必要があったとします。
自分は税理士に仕事を依頼しているので、その分だけ時間の節約ができます。
その節約できる時間が年間15日だとします。
その15日で、仮に50万円の売上を立てられたとします。

収支的にはトントンですよね。

ですが、これだと利益が出ていないから「税理士費用は余計な費用だった」と考えるでしょうか。

例え利益が出ていなくても、自分は50万円分の売上があげられており、その分だけ既存客が増え、経験値も上がります。
また、税理士と顧問契約をしているということは、その税理士からお客様をご紹介していただける可能性もありますし、税務について分からないことがあれば顧問税理士に相談することもできます。

つまり、収支トントンの状態は「得」だということです。

このように考えて、外部の専門家を積極的に活用するようにしましょう。

ただし、外部の専門家であればだれでも良いというわけではありません。

自分に専門分野(例:店舗賃貸専門の仲介)があるように、それぞれの専門家にも「専門業務」というものがあります。

したがって、その専門家が何を専門としているのかをしっかりと見極めて、仕事を依頼するようにしていきましょう。

仕事の生産性を上げるためには、どうすれば良いのかを普段から考え抜くことによって、生産性というのは徐々に上げていくことができるはずですので、常に「改善点はないか」と考えるようにしましょう。
また、生産性向上のためには、「お金で解決できるものは、積極的に投資をする」という考え方もポイントになります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

目次