不動産会社の社長が資格取得を目指す場合

不動産会社を経営している場合と、営業担当者というプレイヤーの立場では資格に対する捉え方は少し違いますので、それぞれの立場から考察してみたいと思います。

今回は経営者の場合についての考察です。

まず前提として、既に不動産会社を経営している場合は、宅地建物取引士の資格だけあれば十分です。
社長の仕事は忙しく、宅建士以外の資格を取得している時間があるのであれば、まずは経営や集客に関する勉強や実践をすることが先決です。

ただし、日頃から不動産の実務能力を高めるための勉強は不動産のプロとして欠かせません。
そのために不動産コンサルティングマスター宅建マイスターのような資格を目指すのは良いと思いますが、これらはあくまでも不動産のプロとしての自己研鑽として利用すべきであり、資格の取得が目的となってはいけません。

さらに、経営者としては簿記は最低限勉強しておく必要があります。
日商簿記検定3級と2級の商業簿記を一通り勉強しておけば十分ですし、数年おきに復習をしておけば、かなり定着するはずです。

パソコンの処理速度を上げるためにタイピングの練習をしたり、できるだけマウスを使わないでパソコン処理ができるようにトレーニングをすることも生産性向上のためには重要です。
また、デジタルスキルの向上のためにいろいろな機器を使用してみたり、いろいろなアプリを試したりすることも大事です。
パソコンやスマホ等の機器を高度に使いこなすことによって、生産性の向上につながりますので、これらの機器はどんどん活用できるようにしていきましょう。


これは最も重要なことですが、経営者は特に自らの健康に気を使う必要があります。
そのためには、日ごろからバランスの取れた食事を心がけ、適度な運動をしておく必要があります。
運動については、運動用に時間を確保するのが難しい場合は、通勤や日常の仕事の中でできるだけ体を動かすことを意識すれだけでも有効でしょう。
通勤のために駅を利用するところを一駅余分に歩いたり、意識的に階段を利用することを意識したり、仕事の途中で散歩に出たりする等して運動の時間を確保します。
ちなみに、散歩をしていると脳が活性化されて、いろいろなアイデアが浮かんだりしますので散歩はおススメです。
さらに、おススメなのは筋トレです。
私がおススメしているのはジムでガンガン鍛えるようなものではなく、自重筋トレです。
自重筋トレであれば自宅でできますし、毎日部位ごとに筋トレをしていけば、一日20分から30分程度で終わります。
なお、自重筋トレは体重が軽いほど有利なため、自重筋トレの能力を向上させようとすると、ムダな脂肪を減らすことを考えるようになります。そのため、スリムな体系を維持することが可能になります。

以上のように、経営者の場合は、とにかく多岐にわたる勉強やスキルが必要になるものの、資格の取得という面では、「宅建以外に取得した方が良い資格などない」ということになります。
強いて言えば、たくさんある資格の中から自社の経営に必要な部分だけを抽出して勉強するような行動が求められます。
そのため、経営者になってから資格の取得を目指している人を見ると「儲かってない」ような印象を与えてしまうこともあります。
資格とは本来プレイヤーのためにあるものであり、経営者のためにあるのではありません。
したがって不動産会社の社長は、宅建士を取得した後は、資格取得を目指すことなく、ひたすら不動産に関する研究と、経営に関する研究をし、資格取得は必要に応じて従業員に推奨するのが正解だと思います。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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