不動産会社の営業担当者(プレイヤー)が資格取得を目指す場合

不動産会社を経営している場合と、営業担当者という立場では資格に対する捉え方は少し違いますので、それぞれの立場から考察してみたいと思います。

今回は営業担当者の場合についての考察です。

経営者と営業担当者の決定的な違いは何かというと、経営者は誰か(上司等)から仕事の評価を受けるわけではなく、営業担当者は誰か(社長や上司)から仕事の評価を受ける立場にあるという点です。
その点においては、資格取得というのは分かり易い手段となります。
なお、資格を取得したからといって、実務能力が上がるわけではありませんので、営業担当者も本来は経営者編の記事で書いたような行動になるのが理想ですが、「経営者にはならない、一生雇用されることを目指す」という方もいると思いますので、考察を続けたいと思います。

なお、余談ですが、経営者になると、多くの場合仕事(自分の会社)に人生をささげることになります。
対して「一生雇用され続ける」という生き方は、不動産の営業担当者がしっかりとした実力を身に付ければ、日本全国どこでも通用するスキルとなりますので、特定の土地に縛られることもなく、個人的にはそんなに悪い生き方ではないとは思っています。

ただし、年齢が上がっても、毎回平社員として入社しなければならず、パワハラ上司に毎日悩まされるというような生き方は誰もしたくないでしょうから、一生雇用され続けるという生き方を選択する場合でも、ある程度の努力はしていく必要はあるでしょう。

上記の観点から、宅建士を取得して、ひととおり実務を身に付けた後に、不動産営業担当者が追加で資格取得を目指すとすると、名刺や履歴書に書いたときに「分かり易い資格」「(よくわからないけど)すごそうな資格」を取得するのが効果的であり、具体的には次のような資格があげられます

・FP
・管理業務主任者
・マンション管理士

ちなみに、経営者には少しだけおススメした「不動産コンサルティングマスター」や「宅建マイスター」については、従業員という立場の人には、おススメはしません。
理由は、ずばり「知名度が低い」からです。

また、上記に加えて、さらに資格取得を目指したいという人は、

・二級建築士
・行政書士
・土地家屋調査士
・司法書士

等の資格を目指しても良いと思います。
なお、司法書士試験は難易度が高すぎるため、手は出さない方が無難だと思います。
また、不動産鑑定士という資格もあり、こちらも難関資格ですが、難関資格のわりに知名度が低すぎるので、不動産流通の世界で生きていく人には、おススメしません(不動産金融業界に人にとっては目指すメリットが多少高まります)。

さらに自分の独自性を高めたいという人は、「IT関連」や「語学関連」のスキルを高めるのは有効な手段です。
ですが、このあたりの資格は不動産業とは何の関係もないため、名刺には書けませんし、履歴書に書いても面接官が良く分からないということになってくると思いますので、おススメはできません。

以上のように、不動産業界で一生雇用されて生きていくという選択をした場合でも、雇用され続けるためには、自分を目立たせる必要がありますので、それはそれで大変です。

当たり前のことですが、20代の宅建士と50代の宅建士が同時に求人に応募すれば、面接官は20代の宅建士を採用します。
そんな場面でも50代の宅建士が20代の宅建士より採用される確率を上げるためには、20代の宅建士ではなかなか持っていない資格の取得やスキルを身に付けている必要があります。

そのようにして常に勉強が必要になるという点では、経営者も営業担当者も同じです。
ですが、経営者は経営判断に最低限必要となる知識を広く浅く身に付ける勉強が求められるのに対し、従業員は自己アピールにつながる資格やスキルの習得が有効になるという点で異なります。

なお、経営者にはおススメしている自重筋トレですが、営業担当者がやっていたとしても上司等へのアピールにはつながりませんので、やってもやらなくてもどちらでも良いと思います。
ただし、過度に太っていたり、痩せていたりすると印象が良くありませんので、その点については気を付ける必要があります。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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