新規免許を受けた後の手続きについて

1.保証協会への加入等について
宅建免許の申請を行ったあと、免許の要件を満たしていれば、免許通知のはがき等(通知書、免許証受領書、営業保証金供託済届出書)が届きます。
ただし、そのはがき等が届いたからといって、直ちに営業を開始できるのかというとそうではありません。
営業を開始するには、免許の日から3か月以内に「保証協会に加入(弁済業保証金分担金を納付)する」か「営業保証金を供託」する必要があります。
なお、実務上は、弁済業務保証金の供託がされた旨の届出が保証協会からあったときに、免許権者から免許証の交付が行われます。

なお、保証協会への加入ですが、現在次の二つの団体が認められています。

①(公社)全国宅地建物取引業保証協会(ハトのマーク)
②(公社)不動産保証協会(ウサギのマーク)

加入は上記のどちらか一方の団体にしかできません。
なお、団体に入るにあたり、弁済業務保証金分担金を収める必要があり、納付額は次のとおりです。

①主たる事務所(本店):60万円
②従たる事務所(支店等):30万円(1店舗につき)

また、加入の際には、上記の納付額に加えて別途加入金等が必要になります。

2.宅地建物取引士の「勤務先」等の変更登録申請について
取引士は資格登録をしている都道府県知事に対して、変更登録申請(「勤務先(業者名)」及び「免許証番号」)をする必要があります。

3.標識の掲示等について
宅建免許取得後に、業法で必要になるものは次の①から③のとおりです。
①「証明書の携帯等」の義務
(1)従業者証明書の携帯
宅建業者は「従業者」に従業者証明書を携帯させなければなりません。
なお、従業者証明書は宅地建物取引士証で代用することはできません。

従業者とは宅建業者と雇用関係にある者全て(社長、正社員、契約社員、パート社員、派遣社員、非常勤の役員等)となります。
なお、取引の関係者から従業者証明書の提示を求められたときは提示をしなければなりません。

従業者証明書の番号の定め方については、原則6桁の数とし、上2桁を西暦の下2桁の数をあて、次の2桁を申請月の該当月を当て、下2桁を社内の整理番号とします。
(例:令和5年(2023年)5月に雇用された者であり、社内の整理番号が5番である者の場合:230505)
なお、本店・支店等がある場合は、本店と支店等で分けることはせず、会社単位での連番号とします。
用紙の色彩は青以外とし、証明書の有効期間は5年以下にする必要があります。

(2)従業者名簿への記載
宅建業者は事務所ごとに、従業者名簿を備えなければなりません(一般的にはA4の横版:従業者の氏名、生年月日、主たる職務内容、取引士であるか否かの別等の一定の事項を記載)。
また、取引の関係者の請求があったときは、閲覧させなければなりません。
なお、従業者名簿は最終の記載日から10年間保存する必要があります。
従業者名簿については、閲覧はさせる必要がありますが、コピー等に応じる必要はありません。
また、営業時間外の閲覧請求だったり、不当な目的での閲覧請求等については閲覧を拒むことができます。

②「帳簿の備付け」の義務
宅建業者は、事務所ごとに業務に関する帳簿を備え(電子ファイルでも可)、取引のあったつど(契約が成立するたびに、決済されていない段階でも)帳簿に、所定の事項(取引年月日、取引物件の所在、面積・代金・報酬の額、取引に関与した他の宅建業者の氏名等)を記載しなければなりません。
なお、宅建業者は各事業年度の末日に帳簿を閉鎖し、閉鎖後5年間(自ら売主となる新築住宅に係るものは10年間)保存しなければなりません。

③「標識の掲示等」の義務
宅建業者は、公衆の見やすい場所に、宅建業者である旨の標識(業者票、報酬額表)を掲示しなければなりません。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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