重要事項説明に関する法令等違反あるある

重要事項の説明について、やってしまいがちだけど、絶対やってはいけないこと(宅建業法違反)について説明します。

①重説を実施するタイミング
重説は必ず契約の成立前までに行わなければなりません。
たとえ買主が「物件のことはもう分かっている」と言い、説明を受けるのを拒否する態度を取ったとしても、説明を省略することは宅建業法違反です。

②買主が宅建業者の場合の重説
買主が宅建業者の場合の重説事項の「説明」の省略は可能です。
ですが、重要事項説明書の「交付」は「契約前」に行わなければなりません。

③重説は必ず宅建士が行う
誰でも知っていると思いますが、「重説は必ず宅建士」が行う必要があります。
決して宅建士資格を持たない営業担当者が重説をするようなことがあってはいけません。
また、宅建士が契約の場に同席していれば、宅建免許を所持しない営業担当者が重説を行っても良いと思っている方がいるようですが、誤りです。
重説は必ず宅建士が行う必要があります。
なお、売主宅建業者で、媒介業者もいるような場合、説明をする宅建士は2名となるわけですが、仮に、売主業者の宅建士が説明をするとした場合でも、媒介業者の宅建士も重説の場に同席する方が望ましいです。
宅建業法では同席しなければならないという規定はありませんが、宅建業者の責務を果たすためにも同席すべきでしょう。

④重説の宅建士欄に名前等を記載する宅建士
重説の宅建士欄には、「重説の記載が正しいことを確認した宅建士」を記載する必要があります。
この点について、宅建業法には何の取決めもないとのことで、宅建士であれば誰の名前を記載しても良いと勝手に法令を解釈し「毎回同じ宅建士(全く取引に関与していない宅建士)」を固定で記載している会社もあると聞いたことがあります。
当然、この解釈は誤りです。
毎回必ず「重説の記載が正しいことを確認した宅建士」の名前を記載する必要があります。

⑤重説をするにあたり宅建士証の提示を行う
宅建士証の提示は重説をするにあたって必ず行う必要があります。
なお、従業者証明書の提示は求められた場合に行えば良いです。
宅建士証と従業者証の両方に違いがあるので、うっかり宅建士証の提示を忘れることがないように気を付けましょう。

上記にいろいろと記載をしてきましたが、普段から法令に則った方法で重説を行えていない会社もあると思います(法令違反と知らずに違反している場合もある)。
なお、法令違反は、主に売主と買主との間で契約後にトラブルが発生等で、買主が行政(県)に苦情を申し立てることにより発覚するということも多いです。
したがって、日頃から宅建業法を中心とする法令に則って業務を行うという「あたりまえ」のことをしっかりと実行していけるよう気を付けましょう。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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