物件調査で気を付けるべき2つの最重要ポイントについて

不動産は多岐にわたる法令等によりがんじがらめになっており、そのすべてに精通することは不可能です。

ちなみに、最低限お客様に迷惑をかけないレベルの調査ができるようになるまでには、調査を専業とする人で2~3年、営業をしながら調査もするという人の場合は、その倍以上の時間を要します。

何しろお客様の人生にとって非常に大きなウエイトを占める不動産の取引にかかわるわけですので、失敗すればお客様には大変な迷惑をかけてしまいます。
また、失敗した当の不動産会社側も、小さな会社であれば一発で致命傷になる可能性もあります。

このように絶対に失敗できないのが不動産調査なのですが、その調査の中でも特にポイントになるのは次の2つです。

①道路
②境界

①道路について
道路は、建物を建てられるか否かの最重要ポイントです。
なお、道路について調べるときは、必ず「調査対象物件に建物が建てられるのか」や、調査対象物件の地型や、道路との高低差等によって「建築に制限がかからないか」等、あらゆる角度から漏れなく調査を行っていく必要があります。
また、調査対象物件に購入希望者がいる場合には「購入者が希望する建物が建てられるのか」についても調査をする必要があります。

道路に関する調査は、物件ごとに想像力を働かせる必要が生じるため、とても難しく、しっかりとした知識を有していなければかなり苦戦するときがあります。

ですから、調査対象者は「建築基準法上の道路のうち1項1号から1項5号までと、2項道路」の「概要」程度は最低限頭に入れておくようにしましょう。
この知識が頭に入っているか否かで、役所調査時の精度に大きな差が出てきます。

②境界について
境界は、調査対象物件の土地範囲を示すものであり、こちらも最重要ポイントです。

なお、境界は、道路とは違って、目に見えないという点で、理解しにくいという面があります。
そのため、しっかりと理解するために、日ごろから勉強を積み重ねておく必要があります。

例えば、現地に境界塀が設置されていたとしても、その境界塀の位置が調査対象物件と、隣接地との境界線だとは限りません。
なぜなら、調査対象物件の所有者か、隣接地の所有者が、本来の境界線を無視(又は勘違い)して境界線以外の場所に境界塀を設置している可能性もあるからです。
そのため、一見すると境界塀の位置が境界線のように見えても、境界塀の位置(所有権界)と境界線の位置(筆界)が異なっているということは、ときどき見受けられます。

なお、所有権界と筆界の一致について、しっかりと確認するためには、調査対象物件の所有者や隣接地の所有者にヒアリングをして確認するとともに、測量でも確認をするということが必要になります。

不動産調査では他にも気を付けるべきポイントがたくさんありますが、道路と境界の問題が最も大きなトラブルに発展する可能性が高いので、特に注意をするようにしましょう。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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