恐怖のワニワニパニック社員について

社歴が長い社員でも、たいしたパフォーマンスを上げていない社員がいます。

パフォーマンスでいえば全社員の中でも「中の下」というところでしょうか。

このような社員は、次の2パターンに分かれます。

①社歴が長いにもかかわらず、たいした成果をあげられていないことを自覚し、若手のサポートをしっかりしてくれる。
②社歴が長いことのみで偉そうにふるまう。ヘタをすると今後伸びてきそうな若手社員を潰そうとする。

①のパターンの社員であれば、まだ社内で活躍する道はあると思います。
社歴が長いということは、その分だけ社内ルール等にも精通しているでしょうし、意外とこのようなタイプの人は不動産業では必須の「法令面での知識」もそれなりに持っていたりします。

ですが、②のパターンの社員となると社内では扱いづらい厄介な存在になってしまいます。
社歴が長いというだけで、後輩はある程度その人の言うことを聞かなければならなくなります。
また、少なくとも新人よりかはその社員の方が不動産に関する知識もあります。
そのため、社長から見ると「ときどき新人の仕事のジャマをしていると耳にしているけど、新人よりかは使える」ということで、問題を放置してしまいがちになります。

また、この手のタイプの社員は、「役職が上の人に対する態度」と、「役職が下の人への態度」が露骨に違うという人も多いです。
考えてみれば当然ですよね。
社歴が長いのにたいしたパフォーマンスも上げられず、それでも社内に残っている人ですので、「役職が上の人への態度も悪い」ということなどあるわけがない。会社に居場所がなくなりますからね。

また、悪いことに②のパターンの人間は「同種の人間を見つけると、自分の仲間に引き入れる」ということをやりがちです。
これをやられると社長にとっても厄介な存在になってきます。
自分一人だけで、パフォーマンスが低いのであれば、最悪その社員だけがいなくなれば良いという状況なのですが、徒党を組まれると、集団(2人以上)でパフォーマンスが悪くなるということが起こるからです。
また、最悪の場合、上司にも歯向かってくるということが起きます。

しかも、集団になると厄介なのが「仮に、一人を叱って、その人間が落ち込むようなことがあったとしても、もう一人の仲間がいる関係で、落ち込みからの復活が早い」ということ。
ちなみに、この場合の「復活が早い」というのは、「元の状態に戻るのが早い」ということであり、復活する過程で、反省するというようなことはありません。

もしかすると、一人であれば、退職につながるかもしれませんが、復活が早くなるために、なかなか退職までいかない。

ちょうど「ワニワニパニック」のような状態です。
この状況になってしまうと、今度は叱る方がきつくなってきます。

そもそも、叱るという行為は「能動的な行動」であり、叱られる側は「受動的」であるため、原則として「叱る方が疲れる」からです。
ワニワニパニック状態では、それが延々と続く可能性が出てきます。

また、一度パフォーマンスを落としても、給料をもらえることを知った社員というのは、本当に頑張らなくなります。

つまり、仮に、その後一人が退職したとしても、パフォーマンスを上げることはできなくなるということです。

それでも高いパフォーマンスを求め続けるのであれば、いずれその社員も退職するということになるのでしょうが、社員を採用するのにもコストがかかりますので、社長としては社員を退職させてばかりいることがベストの方法とはなりません。

では、どうすればよいのか。

対策としては「このような人間性の社員を採用しない」こと。

と、言いたいところですが、さすがに面接で人間性まで見極めるなど、不可能でしょう。

ですから、せめて社長にできる採用時の有効手段は、次のとおりとなります。

・面接時に「入社後の仕事のイメージ(どの程度頑張ってほしいのか)」について具体的に説明しておくこと。
・入社後もしっかりとフォロー(管理職がいれば、管理職から情報を得ておく)をすること。
・「いつでも行動を見ている」というメッセージを発信しておくこと。

この辺りの行動がしっかりと取れていれば、ワニワニパニック社員の「最初のワニ」の誕生を防ぐことが可能になります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

目次