自分の目の届かないところにいる従業員の教育について

多店舗展開をするか否かは社長の考え方次第ですが、多店舗展開をすると「社長の目の届かないところに在籍する社員」が出てきます。

本日は、そのように離れた場所にいる社員の教育方法について説明します。

まず、前提のお話ですが、社員が目の届かない場所にいると何が難しくなるのか。

それは、意思疎通がうまく取れなくなるということにほかなりません。

ただでさえ、従業員の多くの人は「報・連・相」が苦手であるにもかかわらず、それに物理的な距離が加わると、さらに「報・連・相」は難しくなります。

社長はいつも言っていると思います。
「何かあったらいつでもその場から連絡してね。気軽に電話してくれていいからね。」
でも、連絡は来ない…。

ところが、こちらから電話をして「最近どう?何もない?」と聞くと、「実は…」と言い始めたりします。

この「報・連・相」の不足への対処は本当にタイヘンです。

ではどうするのかと言うと、解決策があります。

それは、あらゆることをシステム化してしまうということです。

具体的には、どうするのかというと、次のようなことがあげられます。

①営業の報告をさせる。
②社員にしてほしい行動の一覧を作成し、毎日読ませる。
③月に1回程度は個別に会って話をする。
④「報・連・相」はもらえないものだと思って行動する。

①営業の報告をさせるについて

営業担当者に日報を書かせる会社は多いとは思います。
ですが、売上の数字だけを書かせているようではあまり意味がありません。

営業担当者に意識させるべき数字とは、「目標達成」には「何を」「どれだけ」やれば良いのかを算出しすることであり、かつ、今日は「どれだけ」その行動をしたのか(あといくつで達成できるのか)を記録するのが大事です。

この数値を意識させ、それだけ追わせていれば、自然と目標数値は達成するのが普通です。

もし、この数値目標は達成していたとしても、数値が伸びないのであれば、目標数値が誤っているか、日々記載している日報の数値が誤っているかということになりますので、再検討が必要になります。

なお、営業に限らずですが、目標を達成させるには、決められた行動を日々愚直に実行していくという「継続力」が重要になります。
この「継続力」がある人は、人によって時間差こそありますが、ほぼ確実に成果を出せます。
ですから、数字を作るということ自体は、実は、それほど難しくはないのです。

②社員にしてほしい行動の一覧を作成し、毎日読ませるについて

社長自身が社員にとってほしい行動を一覧にしておくことはとても大事です。
これをしておくだけで、社長自身が、それぞれの社員に毎回説教(?)をしなければならない回数が激減します。

また、取ってもらいたい行動というのは、いちど言っただけでは忘れてしまう人がほとんどです。

そのため、あらかじめ紙にまとめておく必要があります。
ただし、単に紙にまとめるだけでは、従業員は見もしませんので、①のカテゴリで説明した日報に「きちんと読んだらチェックを付ける」等の欄を設ける少しだけ読む人が増えます。

なお、チェック欄を設けても効果がないようであれば、朝礼で読ませる等の対策を検討する必要が出てきます。

③月に1回程度は個別に会って話をするについて

どんなに小規模の会社といえども、会社の中で社長というのは特別な存在です。

そのため、一般の社員からすると、どうしても「話しかけづらい」ということがおきてきます。

だからこそ、特に会社が小規模のうちは、社長自らが、月1回程度は個々の社員と直接面談をすると効果的です。

なお、面談の目的は主にコミュニケーションを取ることにあり、この場で叱るようなことは、控えるべきです。

ただでさえ従業員は社長との面談で身構えているはずですから。

④「報・連・相」はもらえないものだと思って行動するについて

いろいろと「報・連・相」をもらえるように対策を講じたとします。

ですが、結局は、従業員など「原則として、報・連・相などしてくれない」と考えておく方が無難です。

その考えを前提として、業務を設計し、人を動かしていくのが社長の仕事だということになります。
なお、原則として、報・連・相ができないはずの一般の社員の中で、ときどき「適切なタイミング」で報・連・相をくれる社員が出てきたりします。

このような社員は、うまく育てていければ、将来的に社長の右腕となり得ますので、大事に育てていくと良いと思います。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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