従業員を適切に伸ばすために、社長があらかじめ用意しておきたいもの

多くの新人は仕事に対して消極的であることが多いです。

特に中小の不動産会社に入社してくるような新人は、年齢も30歳代半ばを超えていたりすると、その傾向も顕著だったりします。

なお、この場合の消極的とは、あまり発言等をしないということを指しており、この発言等の中には、「自分の考えを述べる」とか、「分からないことを質問する」とか、「仕事に関する報・連・相をする」といったことも含まれます。

発言等をしない原因ですが、おそらく「自分が、あまり仕事ができないということについて、バレたくない」という心理が働いていることが多いです。

要はバカだと思われたくないということであり、プライドがジャマをしているわけです。

確かに、プライドを保ちたいのは分かります。

ですが、もしプライドを保ちたいのであれば、
「日々の仕事を人一倍必死に取り組むのは当然」で、
かつ、
「初めのうちは土日も仕事にあて」、
さらに、
「プライベートの時間も使って勉強をする」等して、
とにかく
最短で一定のレベルにまで実力を高めればよいのです。

これが、本当に自分のプライドを保つための行動だと思います。

ですが、前述の行動をほとんどの人はやれません。

結果として、初めは少しは発言をするものの、時間の経過とともに、しだいに発言しない人になっていきます。

経営者や上司にとっては、「部下がどのような発言や質問をしてくるか」によって、「部下のレベルがわかる」という側面もありますので、発言や質問等をしてくれなければ、正確にその部下のレベルをはかるのが困難になるわけです。

ですが、どのような働き方をしていたとしても、会社の在籍期間は伸びていくわけです。

社長や上司から見れば、入社半年から1年程度であれば、「どれほど実務的に低レベルの質問だったとしても、まったく問題ない」と思えるわけですが、入社2年、3年程度が経過した社員から「あまりにも実務的に低レベルの質問」を受けると「(こいつこんなことも知らないのか…)」と、びっくりさせられることもあるわけです。

社長や上司からしてみると、そのときになって、初めてその社員が「ぜんぜん実務を分かっていない」ということに気づかされるということになります。

ちなみに、発言や質問が少ない社員の場合、社長や上司の期待以上のスピードで成長することは極めて稀です。

それどころか、多くの場合、期待を大きく下回るペースでの成長となり、かつ、ある程度のレベル以上には伸びない(低位で安定する)ことがほとんどです。

だからこそ、社長としては入社当初から、いや入社前の求人や面接の段階から、入社後に従業員に求めることについて明確にしておき、入社当初からそれを徹底させる必要があります。

徹底させるのは簡単で、あらかじめ何をやるべきなのかを、全て書類に落とし込んでおけば良いのです。

具体的にどのような書類があれば良いのかと言いますと、次のとおりです。

・従業員として日々取ってほしい行動をまとめた書類
・何を勉強すればよいのかをまとめた書類
・どのように成長してほしいのかをまとめた書類

このような仕組みを作っていくのは大変ですが、いちどできてしまえばずっと使えるものですので、従業員を雇用することを考えているのであれば、あらかじめ作っておくようにしましょう。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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