不動産業界は転職が多い業界です。
そのような業界にあっても、なかなか社員が辞めない会社も存在しています。
もちろん社員が辞めない会社の全てが良い会社かというと、そんなことはありません。
ですが、不動産会社の社長目線で見れば、新入社員にどんどん辞められてしまうよりも、一度入社してもらったからには、長く働いてもらいたいと思うのは当然でしょう。
ちなみに、社員が辞める一番の原因は、職場の人間関係だと思いますが、職場の人間関係が原因の場合、社長自身が対処することが可能ですので、この記事では除外します。
では、職場の人間関係以外で社員が辞める原因となるのは何があるでしょうか。
主な原因は次のとおりです。
①暇になるタイミングで辞める。
②頭打ちだと気づいた時点で辞める。
①暇になるタイミングで辞めるについて
人間は忙しく働いているときは、余計なことを考えている時間はなかなと取れないのですが、暇になるといろいろなことを考え始めます。
ここでいう「いろいろなこと」とは、主に転職に関することです。
ですから、社長としてできることはできるだけ社員を暇な状況にさせないことです。
したがって、社長としては、「仕事は自分の頭で考えて作るものだ」などと言わずに、どんどん提供するようにしましょう。
そのためには、ときには「たいして利益にもならないような仕事」も引き受ける必要があるかもしれません。
②頭打ちだと気づいた時点で辞めるについて
数年単位で仕事をしていても「入社当時の給与のまま」である場合、あるタイミング(主に仕事の切れ目の暇になったあたり)で、転職を考える確率が高まります。
なお、不動産営業は多くの場合コミッション制のため、基本給が増えるという会社は少ないかもしれません。
ですが、社員も「この会社ではもう頭打ちだな…」などと感じると、その時点で転職を考えるようになることが多いです。
そのための対策として、社員の給与を少しずつでもアップさせてあげれば、「頭打ち感」を軽減させることができます。
給与アップといっても、毎年1万円もアップさせてあげる必要はなく、数千円(3千円から5千円程度)のアップでも効果はあると思います。
なお、不動産会社でも役職手当のようにして、給与をアップさせる会社は多いと思いますので、毎年定期昇給のようにして給与をアップさせるようにすると良いでしょう。
そもそも「人間は現状を維持したい」という性質を持っているため、本来であれば、できるだけ転職などしたくはないというのが本音なのです。
ですから、この定期昇給の金額が「他の不動産会社の基本給をわずかでも上回る」ようになってくれば、従業員が転職へ向かうことを止められる可能性を高められることになるでしょう。
ちなみに、今回の記事で紹介した①又は②のタイミングで転職を考えだす人は、入社後数年が経過し、社内でもそれなりに仕事ができる人が該当する場合が多いです。
そのため、社長としてもできれば退職してもらいたくない部類の社員である可能性が高いです。
社員が、たまたま会社に残ってくれるような運頼みの方法ではなく、「社員を暇にさせないこと」や、「社員の満足度を少しでも上げること」で、社員の退職を少しでも防げる方法があるのだとすれば、積極的に採用することをおススメします。