仕事力アップのために自分だけのカンニングペーパーを作ろう

カンニングペーパーというと聞こえは悪いかもしれません。

学生のときのカンニングは「悪」です。
ですが、社会人にとってのカンニングは、自分の記憶に頼らずにお客様などに正確な情報を伝えることができるという意味で、積極的に作成すべきです。

そもそも人間の記憶というのは曖昧なものだということは、疑いがないでしょう。
そのため、人の一生を左右する可能性のある不動産取引において、お客様などから質問があったときには、その質問に対して、(曖昧な)記憶に頼って回答をしてはいけません。

したがって、お客様の質問に対しては、分からないことは「分からない」と答えたうえで、すぐに「調べて回答する」というスタンスを取ることが基本中の基本となります。

一方で、厄介なのは「曖昧な記憶」の方です。

曖昧な記憶とは「あれ、どっちだったけな~…」みたいなものをだと思っていただければ良いです。

ですが、些細な事まで「後で回答する」とした場合、お客様も煩わしいでしょうし「後で回答する」ことが多すぎてもお客様を不安にさせてしまうかもしれません。

そのようなときのためにも作っておきたいのが、自分だけの「カンニングペーパー」です。

不動産業は、多種多様な法令等が複雑に絡み合っています。
一方で、人には、それぞれ得意な分野と不得意な分野が存在します。

ちなみに、得意な分野とは、新しい知識でもすんなりと頭に記憶できる分野のことをいっており、不得意な分野については、例えば、同じことを「何度もGoogleで検索して調べている」というような場合のことをいいます。

なお、得意・不得意については、人それぞれ個人差がありますので、万人に向けたマニュアルというものは作成できませんし、できたとしても百科事典のようなボリュームになりますので、誰も読みこなすことはできなくなります。

ですから、社会人のカンニングペーパーは、自分で「個人的に作成」していく必要があるわけです。

さて、自分だけのカンニングペーパーの作り方ですが、次の手順で作成していきます。

①ワード又はエクセルを準備する。
②カンニングペーパーに情報を書きためていく。
③定期的に全体を読み返す。

①ワード又はエクセルを準備するについて

まず、ワードかエクセルのどちらかで作成していくのが良いのかですが、個人的にはワードが良いと思います。
ワードの方が、エクセルに比べて「どんどん書きためていくのに都合が良い」からです。
そして、ワードを準備したら「余白」を「狭い」に設定して使用していきます。
このカンニングペーパーは、参照するのは、原則として「自分だけ」なので、見なすさを気にする必要はありません。
したがって、余白をたくさん作って、読みやすくする必要はありません。
できるだけページ数が増えないように余白はできるだけなくしましょう。

②カンニングペーパーに情報を書きためていくについて

カンニングペーパーには、次の情報を記載していきます。

(1)仕事の中で分からなかったこと。
(2)知識が曖昧だったこと。
(3)(1)又は(2)の内容で、追加で調べたこと。
(4)いつでも情報として取り出せる状態にしておきたいこと。

このカンニングペーパーは、いちど作成を始めると、どんどんページ数が増えていきますが、ページ数に比例して、その人の知識も増えていきます。

なお、カンニングペーパーの使用方法ですが、ワードの「検索機能」を使って、ピンポイントで情報を引き出して使用します。
これにより、今までの「つどGoogleで検索」に比べて、情報を引き出すスピードが飛躍的にアップします。

③定期的に全体を読み返すについて

カンニングペーパーを作成しても、作成しっぱなしでは「何を記載したのか忘れる」ということが起こります。

カンニングペーパーを作成したことがない人は、「自分が作成したものを忘れるわけがない」と思うかもしれませんが、あまりに情報量が膨大になるとどうしても忘れます。

話が少し脱線します。
参考までに、私のカンニングペーパーですが、この記事の作成時期(2023年5月)で、次の分量となっています。
・作成:ワード(余白:「狭い」に設定。フォントサイズ:10.5)
・ページ数:158ページ
・単語数:253,586単語
これだけの分量があれば、忘れないためには、対策が必要だということが理解できると思います。

話を元に戻します。
せっかく作成したカンニングペーパーの内容を忘れてしまっては、作成した意味が半減してしまいます。
その「忘れ」を防ぐ対策として、定期的に(1年に3から4回程度)カンニングペーパー全体を読み直しましょう。
これにより「内容を忘れること」を防げますし、「知識の定着化」もはかることができます。
また、全体を読んでいると、法改正等により更新が必要になる情報を拾うことができます。

ちなみに、読み返しの際ですが、内容を覚えなおそうなどと思う必要はありません。
大事なことは、情報を頭に格納することではなく、カンニングペーパーに何が書いてあるのかついて、何となく覚えているという状態を作ることです。
これにより、情報が必要になったときに「あ、これはカンニングペーパーに書いてある」と気付くことができ、すぐに検索をすることが可能になります。

最後に
一点だけ注意があります。
それは、いちど始めたからには、この仕組みを継続させることです。
このカンニングペーパーは、自分だけのものですので、継続させるのは「自分の意思のみ」ということになります。
せっかく作った仕組みも、継続しなければ無意味になってしまいます。
是非ともしっかりと継続させるようにしましょう。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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