なぜ資格試験の勉強のような報われない努力をしてしまうのか

世の中には努力家が多いです。

かくいう私も、世の中的には努力家といっても良いレベルの人間だと思っています。

ですが、悲しいことに、努力をしたからといって、全員が目標とする地点に到達できるというわけではありません。

努力が実る可能性は低いのに、なぜ努力家の皆さんは必死で努力をし続けられるのでしょうか。

そこには、理由があります。

その理由とは「不安」です。

努力家の多くは「不安」を原動力として努力をしていることが多いです。

私自身もその傾向が強いのでよくわかります。

不安だから「睡眠時間を削ってまで、必要もない資格試験や英語の勉強をしてしまう」というような状況に陥ります。

なぜなら、勉強に没頭している間は、不安を消すことができるからです。

これが「家でボーっと」しているような状況だと、いろいろなことを考える時間ができますので、どんどん不安が膨らんでいきます。

で、資格試験の勉強というような「余計な努力」を始める…。

これが、今までの私のパターンでした(典型的な努力家ってこんな感じですよね)。

資格試験だって仕事において現実的に「必要となっている資格」の勉強であれば良いのです。
例えば不動産会社を経営するのであれば、宅地建物取引士は絶対に取らなければなりません。
でも、それ以外のしかく試験における「その資格と取得するためだけの勉強」は、ムダな努力となることが多いです。

話が逸れますが、資格は本来「優れたプレイヤーであることを、経営者にアピールするためのもの」ですので、経営者が資格の取得をする必要はありません。

ちなみに資格は、お客様に対してもアピールできるのでしょうが、お客様は資格の細かい違いなど区別できません。

例えば、行政書士と司法書士。この二つの資格は、司法書士の方が圧倒的に難易度が高いですが、一般のお客様から見れば区別はつかず「どちらも、何となく頭良さそう」みたいな感じで処理されてしまいます。

話をもとに戻します。

努力家は不安になると、不安を打ち消すためにすぐに努力をしたくなります。

その際に、努力が形として残るもの(資格)は、目指しやすいのです。

この目指しやすさが資格の落とし穴となりますので、気を付ける必要があります。

ちなみに、経営者で「資格試験に一生懸命な人で、経営がうまくいっている人には会ったことがありません」ので、経営者の方は特に気を付ける必要があります。

そもそも経営者は、資格試験などに時間を使うのではなく、会社を発展させるための行動にどんどん時間を投入していかなければなりません。

そのためには、自分の目標を明確にすることです。
目標を明確にし「やるべきこと」と「やるべきではないこと」を決める。

そして「やるべきこと」のみに自分の時間を使うようにします。

なお、この場合の「やるべきこと」とは、会社を発展させるための行動であり、「やるべきではないこと」とは、「資格取得など、会社の発展に何の価値も生み出さない行動」のことをいっています。

そして、やるべきことに集中して時間を使っていくために、「経営者も、毎日日報を作成して目標を管理する」ようにしましょう。

人間は放っておくと目標(やるべきこと)を忘れたり、急に不安になって資格(やるべきではないこと)を目指したくなったりします。

だから、少なくとも「自分の目標」は忘れないような仕組み作りをしておく必要があります。

なお、経営者でも、すでに事業を軌道に乗せ、実務は人に任せられるので、趣味として資格試験の勉強をしているという方であれば、資格取得に時間を使っても何ら問題はありません。

ですが、成功している経営者の方の中には、読書家の方はたくさんいると思いますが、資格取得に熱心になっている方を、私はあまり知りません(すでに成功している公認会計士の先生で、60代になって、かつての夢だった弁護士の資格を取るべく勉強している方には会ったことがありますが、その先生だけですね…)。

経営者の方も、今後プレイヤーとして生きるつもりなど皆無でしょうから、時間ができたとしても、資格試験の勉強というようなムダな努力には目が向かないのは当然ですよね。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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