資格試験の勉強法について

不動産関連の資格はたくさんあり、私自身もそれなりに資格を保有しています。

その関係もあり、資格取得に関する相談を受けることがときどきあります。

ちなみに、このサイトに訪問していただいている方は、不動産会社の経営者(又は将来不動産業で独立することを考えている経営者予備軍)の方が多く、経営者の方には「宅地建物取引士」の以外の資格はお勧めしませんが、どうしても必要な資格がある場合や、社長自らが取らなくても従業員に取らせたい場合もあるでしょう。

ところで、インターネットを見ていると、資格試験に関する情報はたくさんありますが、インターネット上の資格試験の合格に要する勉強時間は「原則として短すぎる」と思っていただいて間違いはないです。

これは、私が実際に複数の資格を取得した上での感覚値なのですが、実際に資格を取得するには、「インターネットの情報の2倍の勉強時間が必要になる」ことが普通だと思います。

つまり、宅建の合格に要する時間は「インターネット上だと200時間」に対し「実際は400時間」
行政書士の合格に要する時間は「インターネット上だと800時間」に対し「実際は1,600時間」というような感じです。

では、どうしてこのような誤った情報が出回っているのでしょうか。

理由は簡単です。
インターネットの情報は、もともと資格試験予備校等が試験の合格時間等の目安を書いていますので、「短い時間で合格できる」とする方がお客さんを呼び込みやすいからでしょう。

仮に、勉強時間の記載を現状の2倍で表記してしまうと、講座を受講する前に諦めてしまう人が増えてしまいます。

そのような理由もあって、資格取得までの時間は「短く記載されがち」だということを、まずは理解する必要があります。

ですが、インターネット上の情報は「完全にウソ」とすることはできません。
なぜなら、インターネットの情報どおりの勉強時間で合格する人が少数ですがいるからです。

でも、その少ない勉強時間で合格できる人たちは、次のような人たちです。

①もともと業界内にいる人であり、仕事で実務をバリバリ処理している人。
②主婦や学生等で時間がある人。

①の実務を普段からバリバリ処理している人が試験に合格しやすいのは、よく分かる話だと思います。
では、②の主婦や学生等で時間がある人はどうして短い時間で合格ができるのでしょうか。
それは、短い期間で集中して勉強ができる環境があるからです。
つまり、資格試験に合格するためには、試験で合格点を取れるレベルにまで自分の知識を高める必要がありますが、知識は「覚えたとしても、どんどん忘れていく」ので「忘れるスピードを上回るスピードで覚えていく必要がある」のです。
当然、勉強している期間が長くなればなるほど、忘れていく情報量も多くなります。
だから、短期で集中して時間を取れる主婦や学生が試験に強くなるのです。

上記を説明するために、行政書士試験を例にしてみます。

行政書士試験の合格時間は約800時間から1,000時間程度かかるとインターネットの情報には書かれています(ここでは800時間とします)。

この行政書士試験を次の2人が受験するとします。
①自己啓発のために勉強している不動産の営業担当者:一日1時間の勉強で期間2年半(合計900時間)
②就活のために有利になると思って勉強している大学生:一日8時間の勉強で3か月(合計720時間)

上記のパターンでは、明らかに②の学生の方が合格する可能性は高くなります。
そして、このような人が資格試験予備校のパンフレットに掲載されます。

理由は簡単で、②の学生の方が「忘れる情報量よりも、覚える情報量の方が圧倒的に多い」からです。

なお、私個人の考えとしては、不動産営業という忙しい仕事の中で、更に自己啓発のために行政書士試験の勉強をするような社会人の方に合格をさせてあげたいところですが、なかなか難しいのが現実です。

では、①の社会人の方が、試験の合格率を上げるにはどうすれば良いのでしょうか。

答えは簡単で、できるだけ②の主婦や学生のような勉強方法に切り替えれば良いのです。

つまり、一日1時間の勉強をコンスタントに続けるのではなく、「短期集中で合格すると覚悟を決める」ことが大事だということです。

例えば、一日1時間の勉強を、「平日は一日3時間。休日は8時間勉強する」というような具合です。

こんなに時間を捻出できないという人も多いと思いますが、短期集中で合格を狙うために必要なのだと割り切って、隙間時間をかき集めて勉強時間を捻出するようにしましょう。

なお、「何年間にもわたって、勉強のために少しずつ時間を投入して、結局合格できずに諦める」いうのであれば、最初から資格試験の勉強などに手を出さず、実務に直結する勉強をする方がはるかに有益だと思います。

資格試験には、このような時間のムダになる要素がありますので、資格試験に挑むときは「資格試験以外のことは全て捨てて、短期集中する」というのが鉄則になります。

そのために「合格するまでは、お酒を辞める」や「睡眠時間を削る」くらいのことをしても良いと思います。

そのくらい突き詰めて勉強をすれば、勉強時間は作り出せるでしょう。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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