諦めなければ、最終的に成功できるというのは本当か

不動産業で起業したのはいいものの、なかなか売上が立てられずに困っている人がたくさんいます。

でも、諦めなければ、いつかは成功できる。

と不屈の闘志で頑張っている人も多いです。

ですが、本当に諦めなければ、いつかは成功できるのでしょうか。

当然、諦めずに続けていれば良いというわけではないでしょう。

では、どうすれば良いのか。

それは、「いつかはうまくいく方法が見つかることを信じつつ、世の中にたくさん存在する成功する方法を、諦めずに試行錯誤し続けた人が、いつかは成功できる」ということでしょう。

つまり、成功するためには「まずはトライ」し、「失敗の内容を検証」するという行動の量が必要だということです。

そのようにして、トライアンドエラーの「トライ」の部分の精度も高めていく必要があります。

どういうことかといいますと、例えば、自社のゴールが「富士山に登ること」だと仮定して考えてみます。

まず、初めの段階で3パターンの人に分かれます。
①なかなか動き出さない人。
②すぐに出発する人。
③地図を買ってきて富士山までのルートを確認する人。

①の「なかなか動き出さない人」が世の中に最も多いです。
私のところにもよく「将来不動産業で独立したい」という人がきますが、実際に独立するのは、半分にも満たないと思います。
私に連絡をしていただいた時点で、不動産業界で成功するというゴールに向かって動き出しているとも言えますが、実際に開業しなければ成功はあり得ませんので、この人たちは私の中では「動き出さない人」に分類されます。
世の中の独立を夢見ているサラリーマン方の多くがここに該当します。

②の「すぐに出発する人」ですが、一定数で存在します。
まずは何も考えずに動き出すという行動力は素晴らしいのですが、この方法をとれるのもせいぜい30代前半まででしょう。
このタイプの人の問題点は、富士山というゴールがどこにあるのかが分からないままスタートしてしまっているという点です。
「どの程度の距離なのか」「方角はどちらなのか」「お金はいくらかかるのか」等の検証が全くなされていません。
この状態でも成功したという人が、インターネットを見ているとたくさんいますが、「単に運が良かっただけ」だという人も多いのではないでしょうか。
なお、私自身は、運も実力のうちだと思っていますので、どんなスタートであれ、現在成功している人は素晴らしいと思います。
ですが、これから独立開業を目指す人には、もう少し慎重さがあった方が成功確率は上がるはずです。
何の準備もしないまま独立をしたという発言をする成功者の言葉を真に受けて、何も考えずにスタートをしたけれど、富士山とは真逆の方向に進んでしまい、途中で力尽きている人が成功者の100倍以上いるのではないでしょうか。

そして、③の「地図を買ってきて富士山(自社のゴール)までのルートを確認する人。
まずは富士山(自分が到達したい地点)までのルートを確認します。
「距離は?」「方角は?」「資金はどの程度かかる?」「方法はどうする?(徒歩、車、ヘリコプター?)」等の検討です。
その上で、ゴールに到達するための計画を練ります。
当然、人それぞれ住む場所も、持って生まれた能力も財力も違いますので、計画はそれぞれの人に合ったものを自分で考えていく必要があります。
インターネット上の成功法則が、そのまま自分に当てはまるということは稀だと思っておいた方が良いでしょう。

実際の不動産会社の設立で考えてみます。

例えば、不動産会社の設立にあたり、社長の求めるものが、次のようなものだったとします。
・年収1億円。
・目黒区に一戸建てを建てる。
・フェラーリを購入する。
※例えが、ギラギラし過ぎでしょうか…(ちなみに私の目標とは異なります…)。

年収1億円あれば、目黒区に一戸建ても建てられそうですし、フェラーリも買えそうですので、年収1億円をメインの目標に設定し、不動産会社を設立した場合、どうすれば年収1億円に到達するのかを考えます。
先ほどの例でもあったように、住む場所、持って生まれた能力・財力等に差がありますので、この段階での正解はありません。
この段階ではざっくりと計画を練ってしまいましょう。

次に、不動産会社の設立について考えます。

どうすれば、最短で目標とする状態まで会社を成長させられるのか。
不動産会社を設立するために資金はいくら必要になるのか等、いろいろと調べていきます。

この程度の準備は初めにしますが、会社勤めをしている人であっても、ここまでの期間は1か月程度でしょう。

そして、いよいよ実行に移します。
・貯金がない人は「実際に貯金を始める」必要があります。
・不動産業界の知識・経験がない人は「知識・経験を身に付ける」か「知識・経験等を持っている人を探す」必要があります。
このステップを踏んだ時点で、「既に独立開業はスタートしている」と判断して良いでしょう。
お金も、知識も、経験も貯めるのは容易なことではありません。
数年の時間を要することもザラです。

ですから、その準備期間中も、時間を無駄にせず、ゴールに到達するまでのルートの精査を続けましょう。

なお、お金、知識、経験等を貯める際に注意していただきたい点があります。

それは、「いつになったら、スタートをするのかをあらかじめ決めておく」ということです。

例えば、
お金であれば「200万円貯金ができたら」
知識・経験であれば「1年間仲介会社に勤めたら」
というような感じです。

お金も、知識も、経験も求めだしたらキリがなくなるので、はじめにスタートする時期を決めましょう。
そうしなければ、①のタイプの人と同じということになります。

さて、一定の準備期間を経て、いよいよ不動産会社をスタートします。

不動産会社設立後も、準備期間には想定していなかった問題が、たくさん起こるはずです。

例えば、
なかなか集客がうまくいかない。
なかなか従業員が育たない。
頼りにしていた創業メンバーが退職してしまった。
とんでもないクレームを持ち込む人と取引をしてしまった。
等、いろいろです。

このような状況が起こったときも、諦めずに「仮説を持って検証」を重ねていれば、ゴールにたどり着く確率は大幅にアップするでしょう。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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