社長が自分より優秀な人をどれだけ周りに置けるかで、会社の規模が決まる

不動産会社の社長は、独立前の会社員時代、優秀な営業マンだった人が大半です。

その人が独立して社長になり、今度は会社のトップになります。

初めは自分ひとりか、数人の社員で会社を作りますので、基本的には社長である自分よりも仕事ができる社員は周りにいなくなるわけです。

ですが、もし社長であるあなたが、会社をある程度の規模まで成長させたいと思うのであれば、取り組まなければならないことがあります。

それは、「自分よりも優秀な人を、できるだけたくさん周りに置く」ということです。

社長自身が優秀だったとしても、しょせんは一人の人間です。

社長一人で頑張っていては、会社は従業員30人程度の規模まで成長させられれば大成功といったところでしょう。

ここに新たに優秀な人(社長の右腕的な存在)が一人加われば、一気に50人から100人程度の規模まで成長させられる可能性が出てきます。

また、社長とその右腕的な社員がいる会社では、さらに優秀な社員が育つという善循環が生まれやすくなります。

社長の苦手なことは右腕的社員が引き受けることができますし、その逆も可能だからです。

なお、社長よりも優秀な社員など、なかなかいないと思うかもしれません。

ですが社長よりも優秀というのは、社長よりも「一つの能力だけ」でも上回っていれば良いということになります。

そう考えると簡単です。

全てにおいて自分よりも上回っている人は、優秀な営業マンであった社長から見れば、なかなかいないでしょうが、たった一つだけでも自分よりも上回っていれば良いわけです。

営業なら営業。
調査・契約なら調査・契約。
経理なら経理。等

比べるところはたくさんあります。

ここで問題となるのは「ムダに高い社長のプライド」です。

なかなか自分よりも優秀であると認められない社長が、世の中にはたくさんいます。

したがって、社長は、会社を発展させたいと思うのであれば、ムダに高いプライドを捨てなければなりません。

また、「そんなに優秀な人が自分の会社に来てくれるのだろうか。」「そんなに優秀なら、自分で会社を作るのでは?」という疑問を持つかもしれません。

ですが、世の中には、たとえ優秀だったとしても「人の下で働きたいという人で溢れている」ので、その点については全く問題ありません。

紹介等も使って、諦めずに自分が必要とする能力を持つ人材を探していきましょう。

なお、自分が希望する能力を持つ優秀な人を採用できたら、その仕事はその人に任せ、その分だけ社長は経営に専念することができます。

そのようにして会社を成長させていくのです。

ちなみに、そのようにして会社が成長した後に待っている追加の注意点があります。

それは、その優秀な(社長の右腕的な役割となった)人も、いつまでも社長の右腕が務まるとは限らないという点です。

つまり、今まで活躍してくれていた社長の右腕も、会社が発展する過程でうまく機能しなくなってきてしまい、さらに優秀な人(新たな社長の右腕)を採用する必要がでてきてしまう可能性があるということです。

また、別の問題として、初めの社長の右腕的な社員が、会社の成長とともに社内での地位を確立し、いわば「既得権」を得るような状態になってしまうことで、その既得権を手放したくない一心で、採用や人事、仕事の内容にまで口をはさむような状況となりかねません。

そうなると、自分の既得権を手放したくないがために、自分よりも優秀な社員が入社するのを拒んだり、潰そうとしたり、既に市場において古くなっている手法に固執することにより、会社の成長を妨げてしまうということが往々にしておこります。

こうなってしまっては、会社の成長にとっては害にしかなりません。

社長としては、社員がまだ数名だったころから頑張ってくれた社員なので、情があると思いますが、その社員の能力が成長した会社にとっては不足となってしまうことで、会社の更なる成長を妨げているという可能性についても考える必要があります。

その傾向が見えてきたら、社長としては、いち早く新たに自分の右腕となってくれそうな社員を、用意しなければならない可能性が出てくるかもしれません。

いずれにしても、社長としては、周りに自分よりも優秀な人をどれだけ置けるかで、会社の成長がある程度決まってしまいますので、会社を発展させたい社長は意識して「自分の右腕」を作っていく必要があります。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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