地積測量図、建物図面・各階平面図、商業登記簿を見る際の注意点について

地積測量図、建物図面・各階平面図、商業登記簿を見る際の注意点についてご説明します。

①地積測量図について
・調査対象物件が大規模開発等の土地内にある物件の場合、登記情報提供サービスでは地積測量図が取得できない場合があります。
そのような場合でも法務局では取得できる場合がありますので試してみましょう。

・公図(地図に準ずる図面)と、現況の土地の形状が違うことはよくあることですので、あまり気にする必要はありませんが、地積測量図と現況の土地の形状が違う場合は注意が必要です。
所有権界と筆界が異なっている可能性もありますので、その点についても現地で入念に調査しましょう。

・登記記録で調査対象物件の最新の地積が「合筆」によるものである場合、その地積に対応する地積測量図はありません。
そのため、合筆前の地積測量図を取得して調査対象物件の調査に使用すると良いでしょう。

・登記記録の面積が「(例えば)17.00(もともと地目が「田」等で、そのときの登記記録の地積が17㎡だったものが、地目変更により17.00㎡になった)」であり、地積測量図の地目が「(例えば)17.55」というような場合があります。
この場合、法務局に修正を依頼すれば、登記記録の地積を「錯誤」として17.55に修正してもらえることがあるので試してみても良いと思います。

②建物図面・各階平面図について
・現地調査では、必ず調査対象物件の建物と、図面の建物を見比べて、増(減)築の未登記がないかを確認します。
また、建物図面に記載されている「建物と土地境界線との距離」と「現況の距離」に大きな相違はないかも確認します。
・増築部分や減築部分の範囲を知りたいときは、閉鎖された各階平面図を取得することで確認できる場合があります。

③商業登記簿について
商業登記簿を取得する機会は限られており、次のような場合が考えられます。
(1)売主が法人の場合
(2)前面道路が法人所有の私道等の場合で、通行掘削承諾が必要であり、そのための情報として取得する場合

・売主が法人の場合は、売主の商業登記簿を取得して確認する必要があります。
法人所有の不動産(土地・建物)の場合、破産手続開始の登記は不動産の登記記録には登記されないからです。
そのため、必ず所有者である法人の商業登記簿を取得して破産の有無等の確認をします。
なお、法人が破産等していた場合で、通行掘削承諾や合意書等の記名押印を求める場合は、商業登記簿に記載の清算人に押印等を求められることがありますので、試してみましょう。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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