不動産業に従事する人の継続学習について

不動産は、人が人生の中で購入する最も高額なもののうちの一つですので、不動産を購入する人は大きな決断をすることになります。

不動産業に従事するということは、その人の人生に大きな影響を与える重要な仕事をするということであり、その分だけやりがいのある仕事です。

ただし、残念なことに不動産業界に「稼ぎたい」という動機で入ってくる人が多いのも事実です(この業界の求人広告がそのような人を集めているので、仕方がないことですが…)。

私自身の考え方としては、不動産業界へ入るには、「宅地建物取引士」の資格を有していることが最低条件だと思っています。
なお、宅建士の資格を有しているといっても、宅建士試験で勉強は不動産業の日々の仕事で出てくる実務の5パーセント程度しかカバーできないと思います。
ですから、宅建士試験はあくまでも「宅建士試験に合格できる程度の学力はある」という程度の参考にしかなりません。

その最低限の学力があるということを前提とし、さらに次のような勉強を積み重ねていく必要があります。

・宅建業法

・民法→商法→消費者契約法

・都市計画法
・建築基準法
・その他の不動産に関係する法令

大きな勉強項目とすると上記のようなものになります。

まず宅建業者であるからには、宅建業法の勉強は必須です。
その上で民法やその他の法律については、必要となる部分から「浅く網羅していき、年を追うごとに徐々に深くしていく」というイメージで知識を積み重ねていくと良いです。

今までの説明で分かったと思いますが、勉強というとどうしても資格を取得するという考えになってしまう人もいます。
ただし、実務力を高める勉強において資格試験にチャレンジするという工程は労力のムダになるため、資格試験はどうしてもその資格が必要になるという段階でチャレンジするようにしましょう。

ちなみに、不動産業界には業界歴20年超という営業担当者はたくさんいますが、ほとんどの営業担当者は上記のような継続学習はしていませんので、20年というキャリアはほとんど役に立っていません(20年もこの業界にいるのに「そんなことも知らないの?」と驚かされる営業担当者はたくさんいます)。

ぜひ皆さんも学習を継続し「業界歴≦知識量」となるように自分のキャリアを設計していっていただければと思います。

また、これまでの勉強に加えて、経営者になるためには、次のような勉強もするのが望ましいです。

・業務効率化のためのデジタル関連の知識
・英語(TOEIC800点→英会話+ライティング)
・会計:簿記検定(3級→2級の商業簿記(工業簿記は不要))
・マーケティング

このように不動産業界に従事していくだけであれば、法律知識だけ勉強していけば良いですが、さらに経営者となると勉強することが増えていきます。

将来経営者を目指す方もあらかじめ勉強をしていくと良いでしょう。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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