どの業界団体や会社の重要事項説明書であろうと、重要事項説明書の1頁目には「説明をする宅地建物取引士」欄が設けられています。
この欄には、宅建士の情報を記入するわけですが、注意点があります。
この欄には「実際に説明をする宅地建物取引士」を記載するということです。
なお、2社以上の宅建業者が入っている場合で、実際に説明をしない宅建士がいる場合でも、この欄に記載する宅建士は「自分で重要事項説明の記載内容の責任を持つ(自分で説明をする気持ちがある)宅建士」を記載します。
何を当然のことを書いているんだ!
とツッコミを受けそうな内容ですが、インターネットを見ていると、次のような内容の記事が散見されます。
・説明をする宅建士は、法律で定められているわけではないので、誰を書いても良い。
・会社によっては、実際に説明をするわけではない特定の人の宅建指名を毎回記載しており、実際に説明をする宅建士と異なっている。
確かに、重説に記載のある宅建士とは別の宅建士が説明をした場合、宅建業法に違反するという明文の規定はないかもしれません。
ですが、宅建業法の解釈上違反になることは間違いありませんし、「実際に重要事項説明をしていない宅建士が記名した重要事項説明書を交付した」として「指示処分を受けたという事例」もあります。
なお、改めて述べるまでもないとは思いますが、この欄には「自社の従業員である宅建士」を記載してください。
これも法律に明文がないという理由で、「宅建士であれば自社の従業員でなくても良い」と都合の良い解釈をする人がいるようですが、大きな誤りです。
なお、宅建業者は、不動産という人の一生を左右するような重要な財産を扱いますので、営業社員はもちろんのこと、その他の一般職の社員も全員が宅建士の資格くらいは持っているという状態にすべきだと思います。
そのようにしていれば、今回の記事のような問題が起こることはないわけです。