「生産性を高める」みたいな言葉は、ずいぶん前からいろいろなところで聞いてきましたし、最近でもいろいろな人の口から「生産性」という言葉を聞きます。
かくいう私自身も、「どうすれば生産性を上げられるのか」について、日々考えながら仕事をしています。
そんな私ですが、常々不思議に思っていることがあります。
それは、「世の中の大多数の人がいうところの「生産性を上げるための行動」が、すごく中途半端に感じる」ということです。
私自身、生産性を上げるための最短ルートは、生産性が高い状態と矛盾するようですが、「一定期間」の「長時間労働」だと思っています。
なお、「一定期間」とは、不動産関連の専門職(営業、法務等)の場合、約3年から5年程度です。
また、「長時間労働」とは、平日は、誰よりも早く出社し、誰よりも遅く帰る。そして、週休二日の会社であれば、休日のどちらかは出社する。
というようなイメージです。
いわゆるサラリーマン気質の人には、想像もつかない働き方でしょうが、これをやり切れば、おそらくその人の生産性は、不動産業界内でも上位5%くらいまで上がっていると思いますし、不動産業界内で上位5%ということは、中小企業の不動産会社ではトップになれるでしょう。
当然、この人の仕事はスピードとクオリティの両方を兼ね備えた素晴らしいものになっているはずですし、いちど高いレベルまで上げたスキルというのは、なかなか落ちませんので、このレベルにまで到達した人は、勤務時間を「他の一般の社員と同じレベルにまで戻しても」高い生産性を保ったまま仕事ができるはずです。
かくいう私も、上記のような方法で仕事に取り組んできました。
なお、話が少し脱線しますが、私は40代半ばとなった今でも、朝4時に起床し、朝4時半に家を出て始発電車に乗り、帰りは夜9時頃に自宅の最寄り駅に着くという生活を送っています。。
そろそろ体を壊しそうなので改めなければと思っていますが、今でもこのような仕事の仕方をしています。
話を元に戻します。
世の中の「生産性」という言葉を使っている人の多くは、私の働き方とは真逆で「長時間労働」や「休日出勤」を避けるためにこの言葉を使用しています。
要は、早く仕事を終えて帰宅するために都合が良いので、「生産性」という言葉を使っているのではないでしょうか。
でも、どうでしょうか。
早く帰宅したいがために、いかにも「生産性高く仕事をしているようにふるまっている人」と、一定期間の長時間労働を経て「本当に生産性が高まっている人」は、どちらが生産性の高い仕事ができるでしょうか。
答えは考えるまでもないでしょう。
なお、デジタル機器を駆使して生産性を高めるという方法も当然ありますが、デジタル機器は原則として「誰でも使えるもの」ですので、競争力にはなりません。
また、思い返してみれば、世の中の生産性高く生きている人って、ほぼ例外なく「生産性が低そうなことにコツコツ取り組んでいる時期」がありますよね。
例えば、有名なユーチューバーの人も、誰もYouTubeに取り組んでいないような時期から、結果など出るかも分からないのにコツコツ動画を作り続けていたりするわけです。
当然初期のころは赤字です(お金はかかっていなくても時間をかけているので、その分だけ赤字です)。
経営者だって同じです。
サラリーマンであれば毎月決まった給料がもらえるのに、わざわざ独立し、しかも独立当初などは「サラリーマン時代の2倍の時間働き、給与は10万円(時給250円?)」のような時期を年単位で続けて、結果的に年収数千万円になったりするわけです。
このコツコツ頑張る時期って「サラリーマンよりも何倍も生産性が『低い』時期」だと思いますが、この時期を経ないと「本当に生産性高く生きられる時期は一生訪れない」のではないでしょうか。