高学歴の求人応募者には要注意

私が出会った高学歴の転職者の話です。

その人は、日本人であれば誰でも名前を聞いたことがあるような国立大学を卒業し、不動産業界にいる人であれば誰でも知っているような有名企業に新卒で入社しました。
ですが、新卒で入社したその有名企業は、入社後3年程度で退職していました。
その後は、いろいろな不動産会社を1年から3年程度在籍し、十数社を経て40歳前後の年齢となっていました。

そのような人が、ある日私がかつて働いていた社員数10名前後の不動産会社の求人に応募してきたのです。

当然転職理由(特に新卒一社目の大企業)が気になると思いますので、退職理由を聞きます。

すると、「親の介護をする必要が生じたので退職しました。でも、もう親も亡くなってしまいましたので、御社にご迷惑をおかけするようなことはありません。」と返ってきます。

確かにあり得る話です。

面接でもおかしなところはなさそうだし、受け答えも問題ないので、「採用」ということになります。

まだ小さな会社でしたので、そのような高学歴の人が応募してきてくれると、社長も嬉しくなってしまい、採用基準が甘くなるということもよくあります。

ですが、このような高学歴の応募者には気を付ける必要があります。

このような応募者は採用後も大きな活躍はできないということが往々にして起こるからです。

原因として大きなものは、次の2点があげられます。

①勉強をしない
②中小企業の働き方が理解できない

①勉強をしないについて

某有名国立大学に入っているので、勉強はよくしてくれるはずだという期待が採用者側にはあるかもしれません。
ですが、たとえ高学歴の人であったとしても、意外と仕事に関する勉強を積極的にはしないという人も多いです。

中小企業では、自分から「現在自分に必要となる知識は何か」を考えて、積極的に勉強していく必要が生じます。
ですが、たとえ高学歴だったとしても、積極的な行動を起こさないような人は、何事も積極的な行動は一切起こさず、ひたすら受け身の姿勢だったりします。

一方で、たとえ高卒だったとしても、社会人になってから、勉強の楽しさに目覚めるような人の方が、仕事をしながらも一生懸命コツコツと勉強を続けていく人は多い印象です。

②中小企業の働き方が理解できないについて

高学歴の応募者は、高学歴であったがゆえに、大企業に入っている関係で、新入社員のときに大企業での働き方を経験してしまっています。

大企業は、人という面でも、お金という面でも中小企業とは全く異なりますし、仕事が高度に分業化されています。
そして、仕事は待っていれば上司から割り振られますし、求められる成長のスピードもゆっくりです。
入社3年でも新人扱いだったりします。

一方で中小企業では、何でも一人でやらなければならないことが多いですし、どんどん自分から仕事を取っていくような積極性が求められたりします。

また、イチからしっかりと仕事を教えてくれるような先輩社員はいないかもしれません。
そのような環境であるにもかかわらず、入社半年から1年程度在籍していても大した成果を出せなければ、会社にいられなくなったりします。

とはいうものの、高学歴の人の方が、過去に一生懸命勉強してきた経験がありますし、受験という戦いに勝ってきたわけですので、基本的に能力の高い人が多いということは間違いないと思います。

ですが、ここで一つ冷静になる必要があります。

それは「高学歴だからといって、必ずしも仕事で結果を出せるとは限らない」という点です。

18歳まで一生懸命勉強して、その後の人生(約20年間)を、大した勉強もせずに受け身で過ごしてきた人と、18歳までろくに勉強もしてこなかったけど、大人になってから仕事を通じて勉強をたくさんしてきた人では、後者の方が絶対に仕事で使える人になることは間違いありません。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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