サラリーマンの仕事の結果は「運」に左右されている

とある不動産会社の社長が、次のような話をしていました。

「俺は、サラリーマン時代営業成績がトップだったんだけど、あれってしょせんは運が良かっただけなんだよね」と。

「どうしてそう思うんですか?」と質問をすると、次のような回答でした。

「だって、俺がトップなる前に、圧倒的な成績のトップ営業マンがいたんだよ。俺もその人には絶対にかなわないと思っていたんだ。でも、あるとき急にその人が家の事情で退職することになったんだよ。で、その人に目をかけてもらっていた俺に順番が回ってきたというわけなんだ。だから俺は運が良かっただけなんだよ。」

確かにそのようなことはあると思います。

サラリーマンをしていると、順番が回ってくるかのようにおいしいポジションにありつける人は一定数います。

ですが、どうでしょうか。
この社長の話を全部鵜呑みにして、全てを運任せにするようなことがあってはいけません。

この社長は、単に話を面白くするために、完全に運のみでトップ営業マンになったかのような話をします。
ですが、当然のことながら、先輩のトップ営業マンが退職する際に、後継者候補となる営業マンは何人かいたはずです。
なので、そもそもその後継者候補に入っていなければ、後継者になることはできないわけです。

なお、この「後継者候補に入る」ための努力こそが、自分でコントロールできる部分であり、最低限必要な部分となるのでしょう。

つまり、前述の社長の話をそのまま鵜呑みにして、人並み程度の努力しかしていないにもかかわらず「自分は運がない」と嘆くのか、それとも自分の努力でなんとかできる部分では、最大限の努力をして実力を高め、後継者候補に入って順番を待つ道を進むのか。

そのどちらの道を進むのかまでは自分で選び取ることができます。

なお、自分でできる最大限の努力を重ねて、なんとか後継者候補になったとしても、いつまで経っても後継者に選ばれないということも起こるかもしれません。

そこは、確かに「運」に左右される部分となります。

ですが、そのように努力を積み重ねてきた方であれば、現時点で運をつかめなかったとしても、実力はそれなりにあるはずです。
したがって、たとえ転職したとしても、ある程度の立場にまでは出世できる可能性は高いでしょうし、独立したとしても、ある程度のところまでは行ける可能性は高いです。

ですが、途中で諦めてしまっては、「運」を掴める可能性がある高みにまでは絶対に到達できませんので、諦めることなく高みを目指し、自分の順番がくるのを待つしかありません。

ちなみに、話は変わりますが、サラリーマンをしていると、ときどき実力以上の好待遇を得ている人を見かけます。

例えば、たいして仕事もしていないのに、人並みか、それより多い額の給与を得ているような人です。

このような人の多くは、低い生産性ながらも会社にしがみつき、いつしか職場の同僚が退職してしまったために、「おいしいポジション」に収まった人と、もともと面倒くさい性格だったために、周囲から煙たがられて、結果的においしいポジションに収まった人がいます。

これらの状況も、ある種の運によって作り出されたものといえるのでしょう。

ですが、このような社員の周りには、必ず犠牲になっている社員がいて、この状況のまま放置しておくと、その犠牲になっている社員が辞めてしまうということになりますので、社長としてはできるだけ早急に対処(しっかりと仕事をさせること。できなければ退職してもらうこと)をしていく必要があります。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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