社員に期待すると潰してしまうから、期待しなくても済む会社の規模にする

自分で設立した不動産会社に、将来有望だと思える社員が入社してきてくれたときは、社長も張り切って指導したくなります。

ですが、社長自身が張り切って指導をすると、社員を潰してしまうということが往々にしておこります。

期待して熱心に指導をしたのに、それが原因で退職させてしまうなんて、本当につらいですよね。

そこで今回は、社長が社員に過度の期待を抱かなくても良くなるような不動産会社の経営について考えてみたいと思います。

社員に期待しなくても良くなるということは、つまり「社内業務がほぼ仕組み化されており、頭を使って考えなければならない場面がない(又は極端に少ない)」ということだと思います。

もっとも簡単な方法は、給与をできるだけ最低賃金くらいに抑えるように、自社の仕組みを作り込むということです。

給与が低い仕事であれば、そもそも「やる気みなぎる人は応募してきません」し、パートタイマーのような仕事を希望する方の応募ばかりとなるでしょう。

そのような方ばかりの採用でも経営が成り立つように会社の仕事を仕組化するのです。

当然、これでは会社の規模は小さいままで終わるでしょう(おそらく社員5人前後が限界)。

ですが、自社を大きくすることだけが人生の重要ポイントではないという人も多いです。

そのような方は、いたずらに規模を追わない方が幸せに暮らせるということもあります。

最低賃金程度の給与でも喜んで働きに来てくれる人は、世の中にたくさんいます。

例えば、まだ「子供が小さなお母さん」などはいかがでしょうか。

子供が小さいということは、仕事を休むことがたびたびあり、それが原因でなかなか働けないという方は多いでしょう。

そのような方に「給与は安いけど、休みやすい会社」だというアピールをすれば、働きたいという方は多いでしょう。

そのような方を2~3名くらい採用できれば、誰かが突発で休むことになったとしても大きな問題は起きにくいはずです。

このようにすれば、社長自身も社員に期待するというようなことはなくなります。
そして、その分だけ社員に優しくできるはずです(期待をする社員にはどうしても負荷をかけてしまう)。

しかしながら「せっかく不動産会社を作ったのに夢も希望もない、会社を大きくしたい」という人もいるでしょう。

そのような人はどうすればよいのか。

方法としては次の2パターンがあります。

①自分の右腕候補の社員を探し続ける。
②既存の社員(ママさん社員)の中から、優秀な方を探す。

①自分の右腕候補の社員を探し続けるについて

子供が小さなお母さんという従業員を複数雇用しながらも、自分の右腕となってくれるような社員を探し続けるというのが、第一の方法です。
なお、その際は、育成したいという期待から、どうしても教育が厳し過ぎてしまい、社員を潰してしまう問題が発生しないように、社員と社長との間の「やる気の差を埋めておく」必要があります。

②既存の社員(ママさん社員)の中から、優秀な人を探すについて

ママさん社員というのは、子育てのために一度仕事を辞めているというだけで、実は優秀な方が多いです。
現在は、子育て中のため、ガッツリと働くことができませんが、将来的には、また出産以前のように第一線で仕事をしたいと考えている人もたくさんいます。
そのような方をママさん社員として採用し、少しずつ仕事を教えていくという方法です。
ママさん社員には「子供が小さいという制約」があるため、時間になったら帰らなければいけません。
ですが、雇用する側もそのあたりの事情が分かって採用しているので、本来であれば、社員教育に熱を帯びてしまう社長も、じっくりと教育ができるでしょう。
そのようにして、じっくりゆっくりママさん社員を教育していき、子育てがひと段落するまで待つという方法です。
このやり方では、会社の成長の規模は遅いですし、もしかすると社員5人前後の状態から、成長することはないかもしれません。
ですが、社員を潰してしまうことによる過度なストレスは感じなくて済みます。

会社を成長させることだけが、経営者の幸せということもないでしょうから、経営も割り切ってすることができれば、小さな会社を安定的に育てていくというのも、そんなに悪いものではないと思います。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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