社員はすぐにやる気を失うから、社長はせめてやる気を削がない行動を徹底しよう。

不動産会社は、社員の入れ替わりの激しい業界です。

特に中小の不動産会社では、社員が数か月単位で退職することなど良くあることです。

ですが「良くあること」と嘆いてばかりもいられません。

まず、採用にはたくさんのお金がかかりますし、採用するために割く時間や、採用後に教育する時間もたくさんかかります。

そのため、いちど採用した社員には、できれば一人も辞めずにしっかりと育ってもらって、最低でも中堅クラスの社員になってもらいたいですし、最終的には社長の右腕と呼ばれる「会社の幹部社員」にまで育ってもらいたいでしょう。

なお、この記事の本題は社員がやる気を失うときですが、社員がやる気を失うタイミングというのはたくさんあります。

例えば、次のようなものです。

・彼女と別れた。
・好きな芸能人が結婚した。
・夫(又は妻)の借金が発覚した。
などなど。

そうです。

上記の例は、仕事に関するものではありません。

会社に仕事をしにきているにも関わらず、仕事とプライベートを分けられない社員は多いものです。
いや、ほとんどの社員は、仕事の時間だからと、プライベートを切り離して、仕事に打ち込むことなど不可能なのです。

このように、社員というのは、ちょっとしたきっかけで、いとも簡単にやる気を失うわけです。

ちなみに、多くの不動産会社では、営業社員の給与に歩合制を導入しているため、「給与が社員のやる気を高める」と考えがちです。

確かに、高い給与が社員のやる気を高めるという側面もあります。
ですが、給与によって高まったやる気など長続きしないことがほとんどです(高い給与は「やる気」ではなく、「転職しにくい状況」を作ることには役立ちます)。

このように社員のやる気を高めるのは極めて困難であるばかりか、ほぼ不可能だと認識する必要があるでしょう。

その認識を持ったうえで、是非とも社長に気を付けてほしいことがあります。

それは、せめて仕事において社員のやる気を削がないように気を付けることです。

前述のように「社員はいとも簡単にやる気を失う」ので、社長のちょっとした態度がアウトになることもあります。

社員のやる気をアップさせるのではなく、せめて「やる気を削がないために、社長ができること」は、次の2点です。

・社員に期待をする。
・社員と密にコミュニケーションを取る。

ちなみに、社員を甘やかせといっているわけではありません。
当然、ダメなものはダメだといわなければいけません。

なお、コミュニケーションを取るといったって、単に頻繁に飲みに行くだけでは意味がありませんし、頻繁に「飲みにケーション」を行うことで、退職するといい始める社員も出そうなので本当に怖いです。

また、社員への期待というのは社長の気持ちの問題ですが、社長の気持ちは社員にも伝わるものです。
したがって、社長は社員には大いに期待をするようにしましょう。

このようにいうと「入社後、数か月も経って、ろくに仕事も覚えない社員に期待しろといったって無理だ」といい出す社長もいるかもしれません。

ですが、入社後、数か月も経ってろくに仕事も覚えないのは、「会社が適切に仕事を教えていないから」という側面はなさそうでしょうか。

この現象は、私自身も経験済みですので良く分かります。

私が、初めて不動産会社(社員10名程度の地場業者)に入社したときの話です。
その会社には、社員の教育システムなどは皆無で、私はその会社でほぼ放置の状態だったため、非常に苦労した経験があります。

事実、当時の私は入社数か月で退職しそうになりました。

幸いにも私の場合、何とか生き残ることができましたが、単に運が良かっただけともいえるでしょう。

ですから、社長としては、社員がせめてやる気を失わないように、次のことに取り組んでいただければと思います。

・社員が成長できる仕組みを作る。
・社員に大いに期待をする。
・勤務時間内にできるだけコミュニケーションを取る。

ちなみに、これだけやっても、伸びない社員は伸びませんし、やる気を失って退職する社員は出てきます

ですが、何の対策もしないよりかは、社長の右腕となる社員が生まれる確率は格段に上がるはずですので、信じてやり続けるしかありません。

なお、社長の右腕となる社員が育った後は、社長の役割を一部その社員に担わせることができますので、社長の役割は格段に軽くなるはずです。

話は変わりますが、どんなに人間でもフィーリングが合わない人間というのはいるものです。

例えば、能力は申し分なかったとしても、社長とはフィーリングが合わないという社員がいたとします。
その場合、社長だけが社員の面倒を見ているのであれば、その社員はいずれ退職してしまうでしょう。

ですが、社長に右腕となる幹部社員がいた場合、社長の右腕と、社長とはフィーリングが合わなかった前述の社員のフィーリングが合うということも起こり得ます。

そのようして、その社員は会社に残ることができ、数年経つと、社長ともフィーリングが合ってくるということも起こり得るでしょう。

このような状態になれば、加速度的に優秀な社員が育っていく土壌が会社にできてきます。

まず大事なのは、最初のひとり。社長の右腕となる人材の育成です。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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