早い段階からお金を請求していくことの重要性について

お客様(候補)に対して、お金を請求することを苦手とする人は結構います。

候補と書いたのは、まだサービスの対価をいただいてない段階では、事実上お客様ではないからです。

日本人の中には、お金を汚いものと捉える人もおり、そのような人は「お金を稼ぐ=悪いことをしている」と考えてしまう傾向にあるようです。

そのため、お客様候補になかなかお金を請求できないという人が出てきます。

ですが、どうでしょうか。

お客様候補の方にアドバイスしたり、サービスをしたりする間も「時間を使っている」わけです。

この「時間を使っている」ということについて軽んじている経営者がいれば、その人は経営者として失格でしょう。

ちなみに、お客様候補をたくさん集めたいからという理由で、戦略的に無料のサービスを作るというのは構いません。
ですが、お客様候補に、いつまでも料金を請求できずに無料のままサービスをさせられてしまうようではダメです。

そして、さんざん無料でサービスをさせらた後に、意を決してサービスの対価を請求しようとする段階になって、そのお客様候補者に他の「安い」会社に行かれてしまう。

そうなってしまっては、目も当てられません。

ウソみたいな話ですが、実際によくあることです。

実際に無料でサービスを提供し始めると、お金の話をするタイミングが難しくなるときがあります。
また、無料サービスの量が多ければ多いほど、お金の話を切り出すのに多くの勇気が必要になってきます。
これは、例えば、投資の世界で、先行投資が大きすぎるほど、損切りが難しくなるということにも似た状況です。

なお、社長は自分のお金を使って事業を運営しているため、「時間=お金」だということが、身に染みて理解している人が多いと思います。
ですが、従業員は時間にコストが乗っかっているという意識が希薄であることが多いです。
そのため、平気で時間を無駄にするような行動をとる人も多いです。

そのような「無料でサービスを提供させられる状況」を防ぐ意味でも大事なことがあります。

それは、「まずお金の話から切り出すこと」です。

このお金の話は、できればお客様候補の方に来社してもらったり、逆に自分からでかける前の「電話やメールの段階」で行うのがベストです。

この段階で、相談内容のあらましを確認し、「その内容ですと、おおむね〇〇万円程度のお金がかかりますが、問題はありませんか?」と確認すべきでしょう。

その結果、「そんなに費用がかかるのであれば、そもそも依頼はできません。」と言われてしまえば、そこで話は終了です。
これで話が済めば、お互いに時間を無駄にすることもありません。

そもそも、お客様候補の方は、不動産会社にサービスを依頼した場合に「いくらかかるのかが分かっていない」ことが多いのです。

だからこそ、初めにお金の話をしてあげるのはお互いにとって有益です。

また、初めにお金の話をしておけば、実際にサービスの対価が発生する段階になったときに請求するのが楽になるというメリットもあります。

そもそも、お客様候補の方も、何の悪気もなく「特にお金を請求されないから、そのままにしている」という人も多いです。

これには、全く不動産業界のことなど何も知らないので、請求されないことに違和感を持たないというパターンの人もいれば、請求されないことをいいことにできるだけ無料で情報だけ得ようとするパターンの人に分かれます。

前者の人と後者の人に共通しているのは、「お金の話をしない限りお客様になっていただけるのか否かの判断ができない」ということです。

ですから、サービスを提供する側としては、初めにお金の話をする必要があるのです。
そして、お客様になっていただけるというのであれば、正式に契約を締結して、堂々と適正な料金でサービスを提供させていただきましょう。

お客様から感謝をしていただいた上で、頂戴するお金が汚いものであるはずがありません。
そして、そのお金をたくさん集め、たくさん納税し、社会に還元していくことに罪悪感を持つ必要がどこにあるのでしょうか。

是非とも、サービス提供をする前に、まずはお金の話をするようにしましょう。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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