やりたい仕事だと思って始めたとしても、しばらくすると辞めたくなるということがときどきあります。
それはなぜか。
おそらく、やりたいことの中に「やりたくないこと含まれている」ということを考えていないのではないかと思います。
例えば、不動産会社を作りたいと思って、サラリーマン時代から一生懸命営業の仕事を頑張って結果を出したとします。
一生懸命仕事をし、将来の独立のためにしっかりとお金も貯めます。
立派ですよね。
そのようにして、いざ不動産会社を作ったら、やることがたくさんあるわけです。
サラリーマン時代は、営業だけ一生懸命やっていれば良かったわけですが、独立したとたんに次のようなことを考える必要が生じてきます。
・集客
・重説
・契約
・帳簿
・採用
・教育
・納税
ぱっと思いつくだけでもこれだけ出てきます。
サラリーマン時代からこのすべてを担っていたという人はほぼいないと思います。
事実、営業上がりの社長の中には、これらの仕事を苦手とする人は多いです。
また、これらの仕事をそつなくこなせる社長に限って、売上がうまく上げられないということが起こったりします。
いろいろなことを器用に処理できるがゆえに、全て自分でやってしまい、結果として売上を上げるために必須となる「集客・営業の時間」が減ってしまうということが原因です。
つまり、売上を作るためには、できるだけ売上を上げる仕事に自分の時間を使わなければならず、その他の仕事はできるだけ人に任せるのが正解なのですが、器用な社長に限って、自分でもできるが故になかなか人に任せられないのです。
また、このような社長もいます。
不動産会社を作って、営業社員を雇ったが、なかなか育たないというものです。
社長はサラリーマン時代から、将来の独立を目標に人一倍頑張ってきた人が多いので、独立後に自分で雇った人の「ぬるさ」に我慢がならず、厳しくしすぎてしまうことが原因となっていることが多いようです。
そのようにして何人かを退職させることになった後に、「サラリーマン(従業員)ってそんなものなのか…」と気づくことになり、少しずつ優しくなって(諦めて)いくことになる人もいます。
でも、これは社長からすると、「独立後にやりたかった姿ではない」わけです。
結果として「こんなはずではなかった…」ということにもなりかねません。
独立した「ぬるい従業員を養いたかったから」だという人はいません。
少なくとも「自由に仕事をしたい」とか「会社を大きくしたい」という目標があって独立を志したのだと思います。
ですから、「独立したときの動機」を見失わないようにしたいものです。
なお、結局会社を大きくするためには、ある程度従業員を厳しく管理する必要があるわけですが、社長がいつまでもその役割をしているわけにはいきません。
いつまでもそれをやっていると、どんどん人が辞めてしまうでしょう。
そこで、自分の右腕の存在が必要になるわけです。
つまり、自分の右腕に厳しい役回りを任せて、自分はもっと上の立場から、柔軟に対応していくということが重要になります。
色々な不動産会社を見ていると、成長している会社には、右腕の存在が必ずいます。
右腕の育成ができてから会社が急激に大きくなっていくことも多いです。