不動産会社を起業したけれど、重説・売契の作成に自信がない

不動産会社の社長は独立前の不動産会社勤務時代は、営業マンとしてバリバリ仕事をしてきた人が多いです。
そして、数年でトップ営業マンになります。
さらに、その状態を数年続けると営業のマネージャーとして後進を育てる立場になります。

この状態のまま会社に残る人もいれば、「一国一城の主」として独立を果たす人もいます。
なお、不動産業界は独立のハードルがとても低いため、独立する人が多い業界でもあります。

ちなみに、トップ営業マンという人たちは、基本的には重説・売契等の書類作成といったバックオフィス業務を苦手とする人が多いです。
どうしてそうなるのかというと、トップ営業マンは、会社員時代は社内のスター社員であり、バックオフィス業務のような仕事は管理業務の社員が作成してくれることが多く、また、営業マン自身も「売上に直結しない仕事は自分の仕事ではない」と思っている人もいたりします。

なお、話が逸れますが、私は不動産業界に入った当初、トップ営業マンになりたいと思っていました。
ですが、結局なることができなかったため、バックオフィス(調査・契約)でトップになることを考え、実際になることができました。
そのような自分自身の過去の経験からも、営業でトップになれる人をとても尊敬しています。

話を元に戻します。
バックオフィスを苦手とする元トップ営業マンは、独立しても「バックオフィス業務が苦手なまま」であることには変わりはありません。

ですが、経営者として独立したからには、苦手だからと言ってやらないわけにはいきません。
そのため、一生懸命に取り組もうとするでしょうが、苦手なので効率が悪く、次第にバックオフィス業務を処理するために、得意で最も成果が出せる営業の時間まで取られてしまうようになっていきます。

また、一生懸命に取り組んだからと言って、もともと苦手だったものが、得意になるということはほぼないと思います。

結局、自分が作成した重説・売契に自身も持てないまま、契約をし続けるということになりますが、特にトラブルにもなそうなので、そのうち恐怖心も薄れてきます。

そして、何かのタイミングで、お客様とトラブルになったときに、お客様が県に苦情を申し立てます。
それがきっかけで、県から行政処分を受けるという流れになったりします。
そのため、普段の取引の中で特に問題となってないからと言って、問題を改善しないまま放置して良いというわけではありません。
普段からしっかりと法令等に則って処理をしていかなければならないわけです。
社長となったからには、その業界のプロとしてお客様から認識されますので「知らなかった」は通用しません。

なお、元トップ営業マンである社長は、バックオフィスの仕事に一生懸命になるよりも、「営業に専念」することが最もエネルギー効率が良く、本人も幸せであることは、間違いないでしょう。
ですから、社長である自分の右腕として、バックオフィス(調査・契約)人材をできるだけ早期に育成するというのが、最も良い解決策です。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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