不動産会社の社長は外部プロをうまく使えるようになろう

不動産会社はさまざまな分野のプロと連携して成り立つ仕事です。

不動産会社で関係してくるプロとは例えば、次のような人たちです。

・司法書士:登記申請を依頼する。
・土地家屋調査士:測量、登記等を依頼する。
・建築士:建物の設計を依頼する。
・建築会社:建物等の建築を依頼する。
・測量会社:造成工事に伴う測量、設計等を依頼する。
・土木会社:造成工事等を依頼する。
・弁護士:法律面でのトラブル時の対応を依頼する。
・税理士:税務手続きを依頼する。
・社会保険労務士:社会保険関連の手続きを依頼する。
・行政書士:宅建免許申請等の許認可関連の手続きを依頼する。
・HP制作会社:WEB関連の運営等を依頼する。
・コンサルタント:不動産実務や経営等についてのサポートを依頼する。

などなど、ざっと思い浮かべるだけでもこれだけの専門職の人たちとかかわって仕事をします。

また、社長から見れば、社内にもたくさんの専門職の人がいます。

例えば、次のような人たちです。

・宅地建物取引士:重説・売契の作成や契約等を担当する。
・営業、経理、労務、広告等

不動産会社の社長は、これらの専門職の人をうまく使って事業を組み立てていく必要があります。

ですが、社長の中には「専門職をうまく使えない」というタイプの人が存在します。

なお、専門職をうまく使えないというタイプの社長は、次の二通りに分けられます。

①専門職が信用できないタイプ
②なんでも自分でやりたがるタイプ

①専門職が信用できないタイプについて

例えば、専門職の人からのアドバイスを受けたときに、専門職が信用できないタイプの社長は、とにかくそのアドバイスを疑ってかかる傾向にあります。
専門職の人からすれば、単に依頼前のアドバイスをしてあげているだけなので、その社長から「信用されようが、信用されまいがどちらでも良い」のです。
社長自身がこのような態度では専門職の方から「受任を断られる」か、仮に依頼を受けてくれたとしても、「優先順位を下げられてしまう可能性もある」でしょう。
また、「とにかく値切る」という社長や「値段のみで比較検討する」という社長もこのタイプになります。

②なんでも自分でやりたがるタイプについて

いわば職人タイプの社長です。

このタイプの社長は、とにかく勉強ばかりが忙しくなるため、事業で成果を出すのが遅くなります。
ただし、勉強で忙しいので、日々忙しいという気持ちはあります。

なお、起業にあたり、社長がしなければならない勉強は、まずは「集客」「営業」で、ある程度人を採用できるようになってきたら「経営戦略や戦術」等になります。

そもそも不動産の勉強については、起業する前からたくさんしておく必要があるのですが、キリがありません。
ですから、できるだけ早期に社員や外部の専門家のサポートを受けながら、適切に会社を運営していく必要があります。

上記のうち①の専門職が信用できないタイプについては、できるだけ専門家を安く使うというやり方のため、いっときは業績を伸ばせるかもしれません。
ですが、結局最終的には専門家から嫌われるでしょう。

また、②のなんでも自分でやりたがるタイプですが、業績アップに直結しない勉強ばかりしていますので、当然のことながら、業績アップをすることはほぼありません。
不動産の勉強にばかりで忙しい社長が会社を大きくできることはないということを理解する必要があります。

この記事の社長は「よくない専門家との付き合い方」です。
専門家は、自分の会社をサポートしてくれるために、自分(社長自身)に代わって、その専門分野の勉強を一生懸命してくれている人だという認識をもって、適切な価格で仕事を依頼しましょう。

なお、専門家に業務を依頼する際の料金の目安ですが、原則としてその専門家が掲げている料金表に従えば良いのですが、少し料金を上乗せして支払うくらいの姿勢があっても良いです。
そうすることで、その専門家は自分の会社の業務を優先的に扱ってくれるようになりますし、その専門家から、逆に不動産仲介業者を探している人の紹介をいただける可能性も出てきます。

最後に

当然のことですが、どの専門家に仕事を依頼するにしても、社長自身も「その分野について、まったくの無知」というのはダメです。
少なくとも相手の専門家の話を理解し、理解できない部分について的確に質問ができる程度には、自分もその分野の知識は持っておく必要があります。
そうでなければ、依頼をする専門家の仕事の質を判断することができません。

自分が持っておく知識量の目安としては、専門家の知識が10だとすると、社長としては、5くらいの知識があれば十分でしょう。

ちなみに、知識量5とは、具体的には実務の細かところまでは分からないけど、全体の流れくらいはなんとなくわかるという感じです。

このくらいの知識を持っていれば、自社のために本当に尽力してくれる専門家に適切に業務を依頼することが可能になるでしょう。

なお、この役割も、社長の右腕とよばれるような幹部社員が育ったり、ある程度会社が大きくなって社内で専門知識を持つ人が育ってきたら、どんどんその人たちに、この役割を渡していくことができます。
部下に仕事を任せられるようになった場合、社長としては、任せた分野の知識量を3くらいまで減らしても問題はなくなりますので、その分だけ社長にしかできない仕事に専念することができるようになります。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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