「モチベーションが上がらないから仕事ができない」という人がいます。
ですが、仕事はモチベーションに左右されていいものではありません。
モチベーションが上がろうと、上がるまいと「合格レベルの仕事」ができる。
これがプロの仕事(お金を請求できる仕事)というものではないでしょうか。
つまり、仕事の質がモチベーションに左右されているようでは、その人は「プロではない」ということになります。
ちなみに、従業員にこのような人間(仕事の質がモチベーションに左右される人間)がいると社長は困ります。
社長としては、この社員は「今はモチベーションが高いのか。低いのか」を確認しながら、仕事を割り振る必要があるからです。
もしこの社員が、モチベーションが高いときは「社内一の仕事ができる」という場合でも、モチベーションが低いときは「合格レベルの仕事ができない」のであれば、社長としては、この社員は原則として「合格レベルの仕事ができない社員」だと認識しておかなければなりません。
一番仕事ができない状態でその社員を認識しておかなければ、運に頼って従業員に仕事を振ることになるからです。
ですが、これが社員の場合であれば、社長は何度でもチャンスを与えることができますが、お客様の場合はもっとシビアです。
お客様からいただいた仕事の成果に「お客様の期待値以上の仕事(満足度)を返せない」場合、お客様は失望し、二度と仕事を依頼してくれることはなくなるでしょう(苦言を呈していただけるお客様であれば挽回の可能性はありますが、多くの場合、何もおっしゃらずにフェイドアウトされてしまいます)。
つまり、お客様との関係では、常に一発勝負が求められるのです。
だからこそ、プロとしては、モチベーションに左右されない(安定して高い)状態を維持しなければなりません。
そもそも、仕事にモチベーションなど不要なのです。
考えてもみてください。
仕事とは、わざわざやる気を出してやるようなものではありません。
それが、生きていくため、お金を稼ぐために必要だからやっている。
それが、最も効率よくお金を稼げるからやっている。
それが、社会に貢献でき、求めてくれる人がいるからやっている。
確かに、好きでこの仕事をやっているという人は素晴らしいと思いますが、そのような人はごく少数はでしょう。
多くの人は、必要だからやっているわけです。
そこにモチベーションなど介在させる必要が無いのです。
仕事におけるプロとは「モチベーションなどに頼らなくても、安定して高い成果の仕事ができる」という人のことです。
そもそも「モチベーションが上がらないから仕事の成果が低くなる」というのであれば、その人はその仕事は辞めて、別の仕事を探した方が良いのではないかとすら思います。
そうすれば、もっと別の「自分に合う仕事」が見つかるかもしれません。
自分に合う仕事とは、当然「モチベーションなど上がらなくても、質の高い成果を提供できる」ものです。
私の感覚では、本当に自分に合わない仕事でなければ、どのような仕事でも「合格レベルの仕事をすることは可能」だと思っています。
ただし、どのような仕事であったとしても、ある程度の努力をして、自分の仕事の質を合格レベルにまで到達させなければならない段階があります。
この「ある程度の努力」の量は、その仕事によって違いますので、一概にはいえません。
なお、不動産業界の場合、業界未経験の人に必要な努力といえば、おそらく次のようになるでしょう。
・入社後6か月:仕事漬け(プライベートの時間も全て仕事に投入)
・6か月から2年:「一日13時間労働」+「一日1時間は不動産に関する専門書を読む(通勤時間を使用して良い)」
・2年から:安定して高い成果の仕事を提供しながら、必要な勉強を引退するまで続ける。
これは、最短で不動産業界でプロになる(及びプロであり続ける)ために必要だと思われることですが、どの業界でも、最短でプロになろうと思ったら、この程度の努力は必要だと思います。
ここにモチベーションなど介在させる余地はないわけです。
確かに、「今日は疲れていてどうしても勉強する気がおきない」という日はあります。
そのような日は勉強を休んだって問題ありません。
大事なことは、継続してコツコツと努力をしつづけるということです。