騒音を発生させる施設に関する注意点

住宅を購入する場合、周辺の環境はとても重要になります。
その周辺の環境の中でも、今回は「騒音」に焦点を当てて説明していきます。

①子供(学校、幼稚園・保育園、公園等)
子供の声は好きだという人もいれば、騒音としか思えない人もいます。
後者の人にとっては、学校の近くや幼稚園・保育園、公園等の近くは子供が発する声等が気になるでしょう。
ただし、これらについては、住宅地図でも比較的見つけやすいため、購入の際には検討がなされるものと思われます。
なお、マンションの上階に居住する家族(子供)が騒ぐ等による騒音は、住宅地図で発見できるようなものではありませんので、こちらにも気を付ける必要があります。

②大きな道路
近隣に存する大きな道路については、騒音が発生することは容易に想像ができるものと思われますので、問題になることは少ないかもしれません。
なお、大きな道路が近くにある場合、大型車の通過時に家がガタガタと震動するという可能性があります。
夜は周辺が静かであり、かつ、大型車は夜に走ることも多いため、このケースの騒音は、夜の方が気になるという可能性もあります。
また、物件の近くにバス停がある場合は、バス走行時の騒音や振動があるほか、バスの乗降待ちの人が家の前にならぶということがあります。

③線路
線路については、電車が通過する際の騒音・振動に気を付ける必要があります。
なお、電車は、通常のダイヤが終了している深夜や早朝にも「貨物列車等」が通過する可能性がありますので、その点についても注意を要します。
また、近くに踏切がある場合、その音や光も発生します。

④基地、空港
空港や自衛隊の基地が近くにある場合、航空機による騒音の発生がありますが、これらの施設は、地図によりあらかじめ見つけられるでしょう。
ただし、基地周辺の航空機の騒音は場所によっては、尋常ではないレベルになることがあります。
特に戦闘機が発する騒音はすさまじく、今まで基地周辺に居住したことがない人は、住む前に近隣住民等に話を伺ってみても良いかもしれません。
ただし、近隣住民の方は「子供のときから基地周辺の土地に住んでいて、騒音に慣れてしまっている」ということもありますので、「具体的にどの程度の音なのか」について確認することをお勧めします。
ちなみに、私も基地周辺で生まれ、20歳超まで住んでいて慣れています。
なお、私がお客様に基地周辺の物件を案内するときは「戦闘機が通過するときは、テレビの音量をMAXにしても、テレビの音が航空機の騒音にかき消されるくらいの音(1回30秒程度。朝から晩まで定期的に)」だと説明していました。
このように、どの程度の音なのかを、具体的に、複数の方に確認するのが良いでしょう。
なお、私の住んでいた地域では、夏場の騒音がひどく、冬場は全く騒音はありませんでした。
冬場は戦闘機が飛んでいないのかと思っていたのですが、そんなことはなく、風向きによって飛んでいく方向が変わるようです。
これは、現役自衛官のお客様に伺った話であり、きちんと調べたわけではありませんが、大切なことは、季節によって騒音の度合いが異なることがあるということです。
そのため、近隣の方にヒアリングをするにしても、数年は居住している方にヒアリングをすべきだということです。

⑤工場
工場は、作っている物によって騒音の有無に差が出ます。
また、工場に出入りする大型のトラックも騒音・振動等を発生させます。
なお、夜間も操業する工場の場合もありますので、確認をする必要があります。

⑥消防署、警察署、大きな病院
あえて取り上げるまでもなさそうですが、サイレンが鳴る車両が出動したり、到着したりします。
これらの車両は昼夜問わず出動等します。

⑦家庭用ヒートポンプ給湯器
最後に①から⑥に比べて発生させる音量は小さいですが、意外にも多い騒音トラブルとして「家庭用ヒートポンプ給湯器(エコキュート)」があります。
これは深夜から明け方にかけて深夜電力を使ってお湯を作るため、夜に稼働します。
例えば、隣地のエコキュートが、調査対象物件の寝室の近くに設置されているような場合、騒音の被害を受ける可能性があります。
なお、これについては、調査対象物件に新たに設置し被害コキュートが、隣地に騒音被害を発生させる可能性もありますので、その点についても注意が必要です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

目次