フロー型ビジネスと、ストック型ビジネスというビジネスの類型があります。
ちなみに、現在では、ストック型ビジネスが良いとされています。
なお、不動産業ではざっくり言うと、仲介営業がフロー型ビジネスで、賃貸管理がストック型ビジネスの代表です。
確かにストック型のビジネスは不況による売上の減少幅が少ないので、安全ではあります。
ですが、ストック型のビジネスは、フロー型のビジネスと比べて、売上を少しずつ積み上げていくことが求められますので、その分だけビジネスの立ち上がりは遅くなります。
したがって、フロー型ビジネスと、ストック型ビジネスの両方で、売上を上げられる体制を作るのがビジネスとしては、最も良い方法です。
例えば、不動産業界でも良く見かけるビジネスモデルですが、賃貸仲介の営業をやりながら、賃貸管理も受託していくというような感じです。
会社はこのようにしフローで売上を作りながら、長い年月をかけてストックでの売上も作っていき、財務的に安定していきます。
今までは、会社に関する説明でしたが、実は、この考え方は個人の場合にも使えます。
個人の場合、多くの人がフローの収入で生きています。
ちなみに、個人におけるフロー収入とは、給与所得のことです。
これは、サラリーマンに圧倒的に多いのですが、収入が一つの会社からの給与のみだという状況を指しています。
また、まだ創業間もなく、会社が小さい状況の社長も、少ないフロー収入しか持っていない状況だと言えるでしょう。
この状況は、実はとても危険な状態です。
何が危険なのかと言いますと、この状況は、不動産業でいえば、仲介営業だけで売上を上げているようなものだからです。
もちろん、仲介営業だけしかしていなかったとしても、地域一番の会社になるとか、他の会社にはなかなか出せない独自の強みを打ち出せる会社であれば、仲介営業で圧倒的に稼ぐことができます。
そして、圧倒的に稼げれば、そのお金を有効活用してストックを作るということができるようになります。
ですから、経営者にとって、個人でストックを作る近道は、会社の独自の強みを作り、地域一番の会社になるか、特定の分野に専門特化して目立ち、会社を発展させることでしょう。
特に若手の経営者にとっては、「自分＝会社」みたいなものですので、まずは会社の売上を安定させ、会社の財務状況を安定させてから、徐々に社長個人のストックも積み上げていくのが良いです。
社長にとって、このイメージを頭に思い描くことは容易にできますので、仕事を頑張るためのモチベーションになるでしょう。
一方で、サラリーマンなのですが、どれだけ仕事を頑張っても給与は青天井というわけにはいかないため、いつまでも現在の会社一社から給与をもらっているフローの状態であることがほとんどです。
ただし、不動産営業であれば、フローの状態とはいえ仕事を頑張れば、1千万円超の年収を稼ぎ出せる可能性もあります。
そのため、仕事を頑張ってできるだけたくさんの年収を稼ぎ出し、かつ、経験を積んで、独立するという道があります。
フローの一部が、独立のためのノウハウとして、ストック化されているといったイメージですが、不動産業は独立がしやすい業態ですので、十分に可能となります。
なお、話が若干変わりますが、若手の経営者にも、サラリーマンにも、簡単にできるストックを積み上げられる方法があります。
それは、コンテンツを作ることです。
コンテンツとは、ブログや、YouTube等のコンテンツのことを指しています。
これらを作ることで、個人にストックが積み上がっていきます。
個人にストックが積み上がるとはどういうことか。
それは、コンテンツの積み上げによって、自分の実力の証明になるということです。
したがって、これらのコンテンツは、仕事に直接関係するものでなければなりません。
専門性のないコンテンツなど無意味だと思った方が良いでしょう。
なお、ブログやYouTubeを始めても、継続できる人はごくわずからしいです。
なぜ続けられないのかといいますと、すぐに結果が出ないことが最も大きな要因だと思われます。
でも、考えてもみてください。
すぐに結果が出ないとしても、仕事に関連する文章を書いたり、動画を作成していますので、それだけで業務に関する知識の向上に繋がったり、文章力が上がったり、ワードプレスや動画編集のスキルが身に付いたりします。
また、経営者やサラリーマンには、本業の収入がありますので、特にブログやYouTubeで新たな収入を得る必要はないわけです。
だからこそ、稼げたら儲けものだという程度の気持ちで、気軽に取り組めばよいのです。
この「気軽に取り組める」というところが、本業（フロー収入）を持っている若手経営者やサラリーマンの強みです。
ですから、一日でも早く、ストック（ブログ、YouTube等）の積み上げに取り組んでみてはいかがでしょうか。
