専門家から話を聞くときのポイント

私自身は不動産会社の設立や、不動産業に関する許認可、不動産流通実務の専門家であり、それらの内容で不動産会社の経営者の方と、いろいろとお話しをさせていただくことが多いです。

なお、面談の際に「話を聞くのがうまい経営者」の方と、「なんとも話しにくい経営者」の方がいます。

前者の「話を聞くのがうまい経営者」の方は、面談のあとに、仕事をご依頼いただく際、こちらも気持ちよく引き受けさせていただきますし、ときには追加の手続きをサービスさせていただくこともありますので、結局は、前者の経営者の方は得をしているということになります。

一方で、後者の「話しにくい経営者」の方については、そもそも仕事を引き受けるのをお断りさせていただくこともあります。
こちらも専門家として、責任をもって仕事を完了させるためには、依頼主の方との信頼関係が重要になりますが、うまく話しができない方とは、信頼関係を築くのが難しいので、ご依頼をお断りさせていただくときがあります。

では、話を聞くのがうまい経営者の方とそうでない方は何が違うのでしょうか。

まず、大事なこととして、変に知ったかぶりをしないという点があげられます。

前者の方も、後者の方も、不動産会社を経営しているわけですから、私の仕事についてもある程度の知識はあるはずです。
ですが、前者の方は、まず私の話を「途中で遮ったりせず、最後まで聞く」ことに専念しています。

さらに話を聞くのがうまい人になると「ほー」など、ほどよいタイミングで相槌を打ってくれたりするものですから、こちらも話すのが気持ちよくなって、有料級の話を初回の無料の面談のときに、どんどん話してしまうこともあります。

これは、本当にすごいテクニックだと思います。

この経営者の方も、私の話の中で知っていることもあるはずです。
ですが、知ったかぶりをして私の話を遮った場合、私の話の全てを聞くことはできません。

当然のことながら、私の話は、長くなるほど深くなっていきます。
そのため、話の後半にいくほど、社長の知らない有料級の情報はどんどん出てくることになります。

そのため、前者者の方のように、話を聞くのがうまい人は、いちど全ての話を聞こうとするのだと思います。

対して、話を聞くのが下手な経営者の場合です。

話の冒頭から「あ~、知ってる、知ってる」とばかりの態度で話を聞いていきます。

そのため、いちいち話を遮られるので、私の話は深いところまで到達しません。

そのような方に対しては、私としても話しにくいので、そのうち「そんなにいろいろとご存じなのであれば、これ以上私からお話しさせていただくことはなさそうですね。」と、途中で話を打ち切る結果になることもあります。

不思議なのが、私が話を打ち切ろうとしたときの相手の反応です。

そのような人に限って「ちょっと待ってください。」と慌てるのです。

そんな反応をするのであれば、初めから知ったかぶりをせずに話を聞いていけば良いと思うのですが、おそらくそのような性分なのですから、仕方がありません。

このような方からは、原則として、ご依頼は受けないことにしています。
すでにお話ししたとおり、信頼関係が築けないからです。

聞き方を変えるだけで、私から有料級の話も無料で手に入れ、仕事をご依頼いただいた後もサービスまでさせられてしまうような経営者の方(しかも気持ちよく仕事をさせてくれる)もいる一方で、本当は仕事を依頼したいのに、依頼しようとしても断られてしまう経営者の方もいますので、専門家から話を聞くときは、注意をした方が良いでしょう。

当然、どちらの会社の方が経営面でうまくいっているかという話については、説明するまでもないでしょう。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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