役職を作るといろいろと便利だという話

最近は役職を作らなかったり、社長でも「〇〇さん」と呼んだりする会社も多いようです。

確かに、役職も作らない、役職があっても「〇〇さん」と呼ぶという会社の方が、いまどきでカッコいい気がします。

ですが、私自身は役職って便利だなと思っています。

現に役職が上の人にはペコペコし、下の人には横柄だという人もたくさんいますので、役職は全く無意味ということはないのでしょう。

ちなみに、私自身は、サラリーマン時代は調査、重説・売契作成部門のトップの位置にいたのですが、そのときの役職は次長という役職でした。

ちなみに、この次長という役職は、当時社内に私一人だけで、私のために新たに作られたような役職でした。

なお、私自身はこの会社に入社した当初から調査、重説・契約書作成の仕事をしており、この仕事は「絶対に失敗できない仕事」なので、全く役職もない平社員のころから、「完璧を目指して」仕事に取り組んでいました。

当然誰よりも頑張っていたという自負はあります。

仕事は常に完璧を目指していましたし、入社当初はプライベートの時間をたくさんを使って不動産調査に関する本を読み、できるだけ早く仕事の質を上げようと努力をしていました。

その仕事に対する姿勢が、当時の私の上司(部長)から評価され、「主任」「係長」「課長」「次長」とたったの7年間でトントンと役職が上がっていったのです。

なお、そのときの上司(部長)は、その会社の創業当初から在籍している人で、社長の右腕的なポジションの人だったのですが、仕事中に倒れ、それ以降は第一線を退くという形となったため、その部長の右腕的な存在となっていた私に調査部署全体を見るように指令が下ったわけです。

ちなみに、私自身は、役職が上がるにつれて、自分の意見が通りやすくなっていくのを感じていました。

そもそも仕事の性質上、相手がたとえ社長や支店長であろうと、きちんと意見を言わなければなりませんので、平社員のころから、しっかりと意見を言わせてもらっていましたし、社長や支店長も良く私の意見を聞き入れてくれました。

ですが、平社員の頃の私の意見を、入社10年超の支店長たちが良く聞き入れてくれたのは、当時の私のバックには部長という支店長も絶対に歯向かえない人が控えていたからだということも大きいのです。

そのうえ、私自身も日が経つにつれて不動産の知識が増していき、入社から3年程度が経過した頃には、支店長たちを上回る知識量を備えるに至りましたので、さらに自分の意見が通りやすくなっていくのを感じていました。

そうなると「もはや誰も意見も言ってこない(反論もしてこない)」という状況になったのです。

さすがに「誰も反論もしてこない」という状況が良いのか悪いのか分かりませんが、自分の意見が役職とともに圧倒的に通りやすくなったことは事実です。

そもそも営業担当者では、私の知識量がどの程度なのかは分からないはずですが、そこに「役職」という非常に分かりやすい目安が加わります。

つまり、「この人は次長であり、調査、重説・売契作成部署のトップなのだから、きっと自分よりも不動産の知識を持っているに違いない」と、勝手にまわりが理解してくれるのです。

確かに、相対的に見れば、他の全社員よりも私の方が「不動産に関する調査、契約」については、詳しかったことは間違いありません。

ですが、いくら一生懸命勉強をしていたところで、忘れることもありますし、苦手分野もあります。

だから、不動産調査や契約に関する全ての項目で、私の方が上回っているということはあり得ないのです。

それでも、勝手に相手が勘違いをして、言うことを聞いてくれるのですから、こんなにラクなことはありません。

このように、役職はとても仕事の流れをスムーズにしてくれる効果もあります。

ただし、私の言うことを盲目的に聞いてくれる社員が増えるということは、その分だけ私に失敗は許されないということにはなります。

それが耐えられない人は、役職が上がるのを嫌がるという結果になるのでしょう。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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