頑張り屋さんに訪れる落とし穴について(ときどきムダな努力を洗い出そう)

私がお手伝いさせていただいているのは、不動産会社の経営者であり、そのほとんどの方が「例外なく頑張り屋さん」です。

今までの私は、頑張り屋さんであることが良いと無条件に信じ込んできました。

ですが、最近は少しだけ考え方が変わり、「頑張り屋さんであることが、必ずしも良いというわけではない」と思うようになっています。

きっかけは、自分の状況です。

私も自分自身を客観的に見れば、頑張り屋さんに分類される人間だと思います。

参考までに、45歳となった私の、現在の平日のスケジュール(出張等がない日)を簡単に書いてみます。

AM4:起床
始発電車で出社(電車の中では勉強)。
AM6:出社(出社後オフィスで1時間勉強)。
勉強がひと段落したら仕事に取り掛かります。
昼食も自分のデスクで資料を読みながら食べています。
PM19:退社(電車の中では勉強)。
PM20:最寄り駅に到着(カフェで1時間前後勉強)。
PM21:帰宅
入浴、食事を済ませてから、このサイトの更新作業に取り掛かります。
PM24:就寝

本当に目まぐるしく毎日が過ぎ去っていきます。
ちなみに、帰りの電車では、座ると寝てしまいますので、いつも立って勉強をしています。

かつて、20代から30代前半くらいまでは、このような生活をおくっている自分を誇っていました。
ですが、最近になって、ふと「自分の行動に疑問を持つ」ようになったのです。

どのような疑問かといいますと「この努力って本当にやる意味ある?」というものです。

なぜこのような疑問を持つようになったかといいますと、一番の理由は、体力的につらくなったからだと思います(疑問に持つのが遅いですよね。自分でもあきれてしまいます)。

その結果、「頑張ってやりたいこと全部をやろうとするのはダメだ。必要なものを洗い出さなくては」と考えるようになったのです。

そこで、自分が現在時間と労力を投入しているものの中で、「今(又は近い将来)の自分に必要なもの」と「(今の自分には)必要ないもの」に分けることにしたのです。

なお、今の自分にとって必要か不要かの判断基準は、今の自分の「お客様にとって役立つもの」を選ぶということにしました。

そのときに、今までは「自分のお客様にとって役立つもの」に取り組んでいたというよりは、「自分がやりいこと」を中心に取り組んでいたいということにも気づくことができました。

すなわち、今まで朝から晩まで一生懸命取り組んできたタスクのうち3分の1程度は、特にお客様にとって役立つものではなかったということです。

なぜこのようなタスクが自分のスケジュールの中に入ってきてしまうのでしょうか。

理由は次のようなものです。

①お客様にとって、より役立つサービスを提供したいと思ってタスクに入れる。
②①のタスクに取り組むうちに「これもやっておいた方が良いかも」と思ってタスクが追加される。
③②に取り組むうちに「これも…」「これも…」となり、当初の目的(お客様にとって役立つもの)が何だったのかを忘れる。

おそらく②の途中くらいからは「お客様にとっては、あってもなくても良いもの」になっているでしょう。

つまり、お客様目線でものを考えたとき、この努力は「完全にムダな努力」ということになります。
それと同時に、もともとお客様にとって役立つものとして始めた行動から、さらに派生した努力は、自分目線で考えても「無意味」だということになるでしょう。
この場合の無意味とは、「一生懸命勉強して得ようとしている知識が、そんなことを知っていたり、できたところで自分の人生を豊かにしてくれるわけではない。」ということです。

これは、本当に悲しいですよね。

私は、これこそが「頑張り屋さんの落とし穴」だと思います。

なお、「お客様にとって役立つもの」という基準で自分のタスクを見直した結果、もともとあった自分のタスクの約3分の1を無くすることができました(結局、削れたタスクに「必要なもの」を追加してしまったため、活動時間は変わりませんが…)。

でも、今後も注意が必要です。

なぜなら、頑張り屋さんのスケジュールには、「いつの間にかムダなタスクが入り込んでくる」からです。

ですから、最低でも1か月に1回は「自分のタスクを見直す」ということを仕組み化して、タスクを管理していく必要があるでしょう。

見直しの基準は、「この頑張りは、お客様にとって役に立つのか」です。

基準については、人によって異なりますので、自分で考えてみてください。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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