仕事で「勉強する人」と「勉強しない人」の差はどこに生まれるのか

不動産業の仕事は広範囲に渡る知識が必要になります。

その全てを理解している人はいないでしょう。

だからこそ、この業界で仕事をしている限り、一生勉強を続けなければなりません。

でも、不動産という人の一生を左右する重要な財産の流通に携わっているのですから、それも当然でしょう。

これは、医師や弁護士という人の一生を左右する仕事をしている専門家が、一生自分の専門分野の勉強を続けなければならないのと同様です(医師や弁護士の先生方も実務家を経て、経営者となった後は、勉強の内容も実務から経営に移行します。その点についても不動産業界と近いのではないかと思います)。

ちなみに、今回は、実務家(又は経営者兼実務家)の方に向けた記事です。

不動産流通の実務ですが、あまりにも業務範囲が広いために、結局「何を勉強したらよいのか分からないから、勉強に手を付けられない」と思っている人が多いようです。
また、勉強といわれると「(FPやマンション管理士等の)資格試験のことしか考えられない」という人も多いです。

そもそも、何も勉強をしないというのは論外です。
また、資格試験の勉強は実務には全く関係がないことが多すぎますので、実務の勉強という意味では効率が悪すぎます。

実務の勉強としてお勧めなのは、不動産流通実務についての内容が網羅された書籍を一冊用意して、それを何度も繰り返し読むことにより、不動産流通実務に関する全体像を把握するというやり方です。

この方法により、不動産流通実務の「原則」を理解します。

私自身、多くの不動産業界の方と接していて思うことは、不動産に関する勉強は全くすることなく、実務のみを積み重ねるだけの人が多いので「知識が偏っている人」が多いということです。

実務というのは、日常の取引の中にも「よく出る業務」と、「ほとんど出ない業務」があます。

勉強しない人というのは、よく出る業務については、スムーズに処理できますので、その点においては勉強をする人と差は出ないのですが、ほとんど出ない業務については、途端に動きが悪くなります。

ちなみに、勉強をしていない人というのは、よく出る業務についても、単にいつもどおり処理しているというだけで、明確に内容を分かって処理できているわけではないということが多いです。

ですから、営業担当者に試しに、質問してみると良いと思います。

「どうしてこのような方法を取るのでしょうか?」と。

この質問をしたときに勉強してない人は、「さあ…。」と首をかしげるはずです。

首をかしげるのは、当然「分からない」という意味です。

一方で、日ごろから勉強している人は、よく出くわす仕事については、スムーズに処理できるのはもちろんのこと、あまり出くわさない業務についても、初動がスムーズです。

よく勉強する人にとっても、あまり出くわさない業務は、実務では出会ったこはありません。
ですが、日ごろから勉強しているテキスト等で、その珍しい実務の解決策を学んでいたりしますので「解決に向かうには、どの方向に動き出せば良いか」について迷うことがないのです。

結果として、圧倒的なスピードの差が生まれます。

また、不動産業の仕事というのは「売って(買って)、その場で全て終わる」というものはほとんどなく、「売ったあとも(買ったあとも)、将来的にいろいろな問題が発生する可能性」があります。

その「問題が発生したとき」に、よく勉強している人は、勉強をしていない人が理解していない「業務の裏側にある法規等についても理解をしている」ため、その点においても、スピード面において圧倒的な差が生まれます。

いや、そもそも将来のトラブルを見越して、お客様が気付いていないレベルでトラブルの発生を予見して、対策を講じてくれていたりします。

また、不幸にもトラブルが発生してしまった場合に、それを解決するためには、弁護士をはじめとする各専門家と打合せをしながら解決を図っていく必要が生じることがありますが、よく勉強している人は、もともと持っている知識が豊富なので、専門家との打ち合わせもスムーズです。

今まで述べてきたように、勉強をする、勉強をしないでは、圧倒的な差となりますので、不動産業界に従事している方は、この業界にいる限り、「淡々」と「当たり前」に勉強を続けていくという姿勢が大事だということになります。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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