仕事をゲームのようにして捉えて、楽しんでチャレンジしようという人がいます。
まあ、分かりますよね。
確かに仕事には、ゲームのような側面が多分にあります。
ですが、仕事とゲームには決定的な違いがあります。
それは、「ゲームは何度失敗しても、失敗する前からやり直すことが可能」だということです。
つまり、失敗を「なかったことにできる」ということでもあります。
一方で仕事はどうでしょうか。
「仕事だって、何度失敗しても、その失敗を教訓にして、また頑張れば良い」という主張はよく分かります。
落ち込んでいる暇があるのなら、できるだけ早く這い上がった方が良いというのは間違いありません。
ですが、私は仕事をゲームとして捉えるって、サラリーマン的な発想のように感じてしまい、少しだけ違和感を覚えます。
例えば、経営者の場合はどうなのでしょうか。
会社を立ち上げたり、新規に事業を始めるような場合でも、ゲームのような感覚で取り組むことができるかというと、なかなか難しいのではないかと思います。
仕事には、計画を立て、実行し、検証し、再度計画を立てて実行するという「一連の流れ」が求められますが、ゲームのように「失敗してもリセットすれば良い」と、楽しみながら取り組むという心境にはなかなかなれないでしょう。
ですから、経営者は「会社が壊滅的なダメージを受けない程度」にリスクヘッジをしつつ失敗し、検証、改善をしながら、少しずつ上昇していくわけです。
この一連の流れをゲームのように捉えることは困難です。
ですが、経営者の仕事の全てがゲーム化できないというわけではありません。
例えば、まだまだ発展途上の会社で社長自身も営業することが求められているような場合には、「社長自身の営業の数字」をゲームのように捉えることは可能でしょう。
ですが、これは本質的には経営者の仕事ではありません。
本質的には経営者の仕事ではないからこそ、ゲーム化することが可能になるということなのでしょう。
また、日々のタスクのうち、次のようなものも、ある種ゲームのように捉えることができるかもしれません。
・経営や、業務に関連する知識の仕入れをする。
・即効性はないが、今やっておけば将来的には効果が出ると期待できるもの(勉強等)に取り組む。
これらをゲーム化して楽しめるかという話は置いといて…。
これらをゲーム化する場合、例えばチェックリストのようなものを作成して「できたらチェックをつけていく」というような方法で、ゲームっぽくするという方法もあります。
どんどんタスクを処理していくというゲームですね。
なお、会社経営が軌道に乗って、なかなか倒産しそうにないレベルにまで大きく会社を発展させることができれば、経営者も少しは経営をゲームのように捉えることができるのでしょうか…。
…やはり無理ですかね。
名だたる大企業でも油断をすると経営不振になる時代ですから。
結局、仕事をゲーム感覚で捉えようって、そもそもサラリーマン向けの発信なのでしょうね。
サラリーマンの方って仕事で苦しんでいる方多いですから。
日々仕事がツラいので、せめて少しでも気楽に仕事をしようという意味なのだと思います。