私が社会人になって勉強を始めてから、宅建士、行政書士に合格するまでの話

前回の記事では、私が中学2年生で学校の勉強を捨てたところから、どのような流れで社会人になって勉強を始めるに至ったのかについて説明しました。

そこで今回は、資格試験の勉強法についてのお話です。

ちなみに、私は主な資格としては「宅地建物取引士」と「行政書士」を持っています。

これらの資格は、合格した当時(30歳)、勉強に全く縁がなかった私の人生の中で初めて手にした国家資格であり、これらの試験の合格の際は、本当にうれしかったことを今でも鮮明に記憶しています。

なお、私は現在では、上記の2資格以外にも複数の資格等(簿記、TOEIC、不動産コンサルティングマスター等)を持っています。
ですが、上記2資格以外の資格は、宅建士試験や行政書士試験の合格後に取得したものであり、その時点では少なくとも行政書士試験に合格するだけの学力を有していたということになり、合格するのも当然ともいえますので、あえて勉強法等についての説明はしません。

まず、前回の記事の最後でも触れたことですが、私は、20代後半に溶接工をしていたときに「K先輩」からの、「俺の同級生が行政書士という仕事を始めて年収1,000万円もらっている」という自慢話(?)に触発されて、行政書士になるという決意したわけです。

当時、私は20代後半だったわけですが、当時の私の学力といえば、次のような感じです。

・勉強は中学2年生以降全くやっていない。
・20代の初めから小説にハマり、このときまでに1,000冊以上読んでいた。

つまり、学校の勉強は全くやっていないものの、文字は人並みに読めるようにはなっていたというようなレベル感です。

この状態から、どのようにして資格試験に挑んだのか。

私は、まず行政書士試験の勉強を始めることにしました。

実は、前述のK先輩の自慢話の際に、K先輩は私に対して、次のような宣言をしたのです。

「その行政書士の同級生から『いきなりお前(K先輩)に行政書士試験は難し過ぎるから、まずは宅建試験を受けた方が良い』と教わったので、自分(K先輩自身)は、まずは宅建の勉強をしようと思う」と。

そのため、K先輩は宅建試験の勉強を、私は行政書士試験の勉強をそれぞれ始めるということになったのです。
なお、私はその当時、行政書士という資格は聞いたことが無く、宅建という資格については、かろうじて聞いたことがあるという程度で、どちらも何をするためのものなのかについては、一切知識を持ちあわせていないという状況でした。

ちなみに、余談ですが、その日からK先輩は、職場にテキストを持ち込んでは、昼休みにテキストをひらいて勉強を開始し、『5分後には爆睡する』という生活を約3か月すごした後に宅建試験を諦めることになります。

私は、試験勉強をするというきっかけだけをK先輩にいただき、行政書士試験のテキストと過去問を書店で仕入れていました。

ただし、私は職場に試験の教材を持ち込むようなことはしませんでした。

試験勉強は家に帰った夜の時間にしかできないと思ったのです。

理由はいくつかあります。
まず、当時、私は職人として体を酷使する仕事だったため、昼休みはできるだけ体を休めたいと思ったのが一番の理由です。
また、もし教材を職場に持ち込んだとしても、K先輩と同様に5分で寝落ちするだろうということは、K先輩を見て学ぶことができたのも大きかったと思います。

試験の勉強方法ですが、まずは「テキストは一切読まず、過去問を解いていく」という方法を取りました。
この方法は、資格試験の勉強の王道だと思いますので、多くの人がやっていると思います。
当時の私もインターネットの情報から、そのような方法で勉強を始めたのです。

ちなみに、学生時代の私は、大の勉強嫌いだったのですが、社会人になって勉強を始めると「勉強は楽しいもの」なのだということに気づきました。
おそらく、学生時代の「なぜやらなければならないのかも分からない状況」での勉強は私には苦痛だったのに対し、社会人になってからの勉強は「目的意識がはっきりしている分だけ楽しい」と感じることができたのだと思います(今では学生時代の勉強がいかに大切かがよくわかります)。

勉強を開始したばかりの頃は、過去問を解いても全く訳が分からなかったのですが、「問題を読み・回答を読む」を繰り返していくことにより、少しずつ知識が頭に入ってくるようになりました。

これを約1年間続けて行政書士試験を迎えます。
行政書士試験は約6割できれば合格できます。

この時点で、どの程度できるのかは分かりませんが、6割正解で合格なら「ひょっとしたら受かるかも」と思って試験に臨みました。

結果は…。

「全く歯が立たねぇ~!」というものが正直な感想です。

本当に全くできませんでした。

自分としては、1年間一生懸命頑張ってきたつもりでしたので、結構ショックだったのですが、私は諦めが悪いタイプなので、すぐに切り替えて翌年の試験勉強を開始しました。

勉強方法は、1年目と同じです。

過去問の「問題を読んで・回答を読む」
このようにして、知識を定着させていきました。

そのようにして、また1年間が過ぎました。
2回目の行政書士試験です。

結果は…。

「全く歯が立たねぇ­­~~!!」という感じです。

本当にぜんぜんダメでした。

仕事から帰宅した後、平均約2時間程度、毎日一生懸命勉強しているのに、ぜんぜん歯が立たない。

インターネットの情報を見ると、「行政書士試験など簡単だ!」「法律を勉強したことがない者でも600時間程度で合格できる」と記載してあります。

ですが、私は丸2年間にわたって、毎日2時間は勉強しており、その時点での勉強時間は単純計算をすると約1500時間は勉強したことになります。

でも「ぜんぜん歯が立たない」のです。
本当に「合格の可能性すら全く見えないというようなひどい点数」でした。

これには、さすがに少しだけ落ち込みました。
「やっぱり、中2までしかまともに学校の勉強をしていない自分には合格できない試験なのだろうか…」とも考えました。

ですが、私は諦めが悪いのです。

すぐに気持ちを立て直して翌年も受験することにしました。

ただし、ここで少しだけ方針を替えました。具体的には次のとおりです。

①試験勉強のメインを宅建試験に変更する。
②万が一、試験に受からなかったときのことを考えて、仕事にも打ち込む。

①試験勉強のメインを宅建試験に変更するについて

3年目も今までと同様の勉強を続けたところで、行政書士試験には到底受からないということは明白でした。
さすがに、それは辛かったので、試験勉強のメインを行政書士から宅建試験に変更しました。
行政書士試験の勉強は今までやってきたことを忘れない程度のペースで勉強し、宅建試験の勉強を本格化させるという方法です。
行政書士試験では全く歯が立ちませんでしたが、宅建試験の3分の1は行政書士試験で勉強していた民法分野ですので、他の宅建の受験生よりは有利でした。

②万が一、試験に受からなかったときのことを考えて、仕事にも打ち込むについて

「自分では国家資格試験には受からないかもしれない」と思ってもいたので、仕事も「より一層」頑張って取り組むようにしました。
私は、もともとワーカホリック気味なタイプですので、今までも試験勉強をしながら仕事も頑張っていました。
ですが、より一層仕事に打ち込むことにより、仮に試験に受からなかったとしても「この会社で出世すれば問題ない」と考えることができる、つまり逃げ道を自分に用意してあげることで、少しだけ気楽に試験に臨むことができるようになりました。

そのようにして約1年を過ごし、宅建試験の日を迎えました。

結果は…。

「宅建試験合格」でした。

職場のロッカーの中で、ケータイで合否を確認して一人でガッツポーズをしたのを今でも覚えています。
初めてまともな国家資格を獲得した瞬間は本当に嬉しかったです。

ちなみに行政書士試験は宅建試験よりも数週間遅れて試験日が来るのですが、この年の行政書士試験は申込だけはしていたものの、宅建試験で力尽きて受験をすることができませんでした。

そして、宅建試験の合格により、私は不動産業界に転職することになります。

このとき、私は30歳になる年でした。

そして、転職先の不動産会社でも行政書士試験の勉強を続けました。

ですが、今度は今までとはやり方を替えました。

今まで、私は頑なに独学を貫いてきましたが、独学で行政書士試験は受からないのだと、察しの悪い私もようやく気付くに至り、資格試験予備校大手のLECの通信講座を受けることにしました。

ちなみに、このときの私は、不動産会社で営業の仕事をしていましたが、そのときの仕事と勉強時間は次のとおりです。

・仕事:朝7時に誰よりも早く出社。夜8時頃までみっちりと仕事。
・勉強:夜8時頃から12時まで事務所に残って勉強。

本当にきついスケジュールだったと今でも思います。
当時の感覚からいえば、「あと1週間試験日が遅ければ、体調を崩して倒れていた」というくらい自分を追い込んで仕事と勉強をしたという実感があります。

そして、1年後の試験を迎えました。

結果は…。

「行政書士試験合格」でした。

これも本当にうれしかった体験でした。

世の中には、行政書士試験は、あっさりと合格してしまうという人もいるようですが、私には本当に苦労しました。

なお、私のこれまでの勉強を教訓にするならば、次3点があげられると思います。

①全く勉強をしたことが無い人は、一度独学で1年間勉強をしてみても良い。
②行政書士試験以上の試験は、資格試験予備校に行かなければ人生をムダにする可能性が高い。
③資格試験に挑むのであれば、現在就職している先の仕事も頑張る。

①全く勉強をしたことが無い人は、一度独学で1年間勉強をしてみても良いについて

「学生時代にほとんど勉強をしてこなかった人」や「社会人になってからしばらくの間勉強から遠ざかっていた人」については、いきなり資格試験予備校に申込みをしても、授業についていけない可能性があります。
したがって、不安であれば1年間は自分で独学をして、2年目から資格試験予備校に申込みした方が良い可能性があります。
なお、この場合、1年をムダに過ごすように感じられる方もいるかもしれませんが、高額の資格試験予備校に行き始めた後に、授業についていけず、途中で行かなくなってしまうという方も多いです。
そうなってしまうと、それこそ時間とお金のムダになってしまいます。

②行政書士試験以上の試験は、資格試験予備校に行かなければ人生をムダにする可能性が高いについて

今の宅建試験は5問免除もありますし、独学で合格したという話は私の周りでも良く聞きますので、独学でも問題はないかもしれません。
ですが、行政書士試験となると独学で合格したという人は極端に減りますし、仮に独学で合格している人であっても、法律初学者という人になると、ほとんどいないのではないでしょうか。
ですから、行政書士試験以上の難易度の試験を受ける場合、初めから独学で合格しようとはせずに、資格試験予備校を使って合格を目指すようにしましょう。
なお、その場合でも①のとおり、1年間自分で独学してから、資格試験予備校に行くという方法は良いと思います。

③資格試験に挑むのであれば、現在就職している先の仕事も頑張るについて

現在就職している方は、仮に試験に受かった後に転職や独立を目指している場合でも、資格試験を受けるにあたって「今の仕事も頑張っておいた方が良い」です。
理由は、難関国家資格になればなるほど、試験に受かるかどうかわからないからです。
もし仮に試験に受からなかったとしても、この会社で結果を出しているから大丈夫だという感覚は、安心感につながり、結果的に試験勉強に良い結果をもたらす可能性が高まります。

私の体験が、資格試験に合格できずに苦しんでいる人のお役に立てれば幸いです。

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この記事を書いた人

・略歴:会社員時代、調査・契約部門のトップを6年間にわたって務め、直接かかわった売買は5,000件以上です。また、調査・契約の専門職員や営業社員を全国で100名以上育成しています。
・保有資格:宅建士、行政書士、簿記、FP、TOEIC等

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